AI導入の事例
事務系業務の大半がRPAに置き換わる
自動化AIの中でも導入が容易RPA。事務系業務の3分の1が将来的にRPAに置き換わるともいわれています。日本国内の企業でも、次々とRPAを導入する動きが出始めている状況です。もういくつか成功事例が出ております。
AI導入の事例
金融機関での導入事例
RPAの導入が進んでいるのは、事務作業が多い金融業です。三菱UFJ銀行の場合2以上のパイロット期間を経て、RPAを本格導入。全体で2000件超の手動業務をRPAに置き換えました。 現在、情報取得や入力業務、検証作業などの定型業務の置き換えが進んでいます。パイロット業務として選ばれたのは、融資事務センターでの住宅ローン向け団体信用保険申告書の点検業務。担当者が用紙を1枚ずつ点検していた保険会社への提出書類と住宅ローンの明細を照合する作業です。 紙の申請書をスキャンし、電子データ化してロボットが点検する形式に変更。何か問題点があるもののみを担当者が目視チェックするという形になりました。その結果、2500時間もの作業時間削減が可能となりました。
自治体での活用例
糸島市の事例では移住希望者マッチングというシステムでAIを使用した実証実験が行われました。移住希望者と市担当者の対話がAIにより促進され移住者の不安解消や満足度向上、地域活動の活発化を実現を 目標に行われました。AIマッチングを用いて、移住希望者に最適な地域を提示。移住希望者が評価を行い、AIが好みをさらに学習することにより、移住希望者と候補地の適切なマッチングを実現しました。それ以外にも行政の業務にも他の業種と同じくRPAやAIを使用することによって、効率化を図るなどの動きも出てきております。
働き方改革以外での活用
東京のあるラーメン店でのAIを活用例として。来店客は専用アプリに自分の顔を登録すると、食券購入時、コミュニケーションロボットに自分の顔を認識させることで来店回数に応じてトッピングがサービスされるという活用を行っています。 この事例は働き方改革にAIを活用したものではないものの、接客やサービスの一部で活用する事例として今後の活用として期待が集まる事例になります。
中小企業に最適なAI活用
AI活用は大企業ばかりが先行しているイメージがありますが、AIと同義のものとしてRPAがあります。中小企業にとってはまだ実用段階にないAIでも、RPAなら簡単に導入が出来、確実に成果の出る働き方改革が実現します。またRPAはAI機能が充実してくることが期待されており、自然にAIを活用した働き方改革を実現が可能となります。
チャット導入のデメリット
チャット導入のデメリット
使い方次第では効率化につながらない点
導入もしやすく比較的簡単に誰でも使うことのできるビジネスチャットですが、使用方法によっては効率が下がってしまう事があります。
大事な情報が流れてしまう
チャットの場合、コミュニケーション量が多くなると、過去の発言はどんどん流れていってしまいます。 そのため、重要な情報がある場合には、どこかにメモをしたりピン留めをしておかないと見逃してしまったり、後から探す事になります。エビデンスの管理という点ではチャットはあまり向いていません。
通知で作業に集中できない
常にチャットで情報共有がされると都度通知が来てしまったり、すぐに返信しなければと考えてしまうため、どうしても1つ作業に集中できなくなってしまいます。そうなることによりチャットのメッセージが他人の作業に細切れに割り込んでしまい、業務に支障をきたすこともあります。
既読機能がないチャットツールや、通知の頻度などを細く設定できるツールもあります。
余計なコミュニケーション量が多くなる
気軽にコミュニケーションが取れるため、コミュニケーションの量が多くなる傾向があります。 コミュニケション量が多くなる反面、余計な投稿や業務に関係ない投稿も増える可能性もあるため、使い方には注意をする必要があります。
長時間労働につながってしまうリスク
業務時間外に業務が発生
いつい業務時間外にチャットを見てしまい、深夜や早朝に仕事を始めてしまうことがあり、また自分宛にでなくても、複数人が閲覧できるグループチャットで通知が飛んでいると、朝からプレッシャーを感じながら出社することになったり、せっかくの休日も自分宛にチャットが来ているかもしれないと常に不安で気になってしまい、結局仕事をしてしまう。ということがあります。使用制限などルールを設けることで解決することが出来ます。
運用ルールでデメリットを解消
チャットの利用によって、長時間労働、休日出勤を助長してしまっては本末転倒なので業務時間以外の使用を控えるなどのルール作りが必要となります。またエビデンスが必要なやり取りや外部と一対一の場合はメール、複数人でのやり取りで意見交換や進捗管理のやり取りはチャットなど使い分けることも重要となります。運用ルールをしっかり決めることによってより効果的にビジネスチャットを使うことが出来ます。
チャット導入のポイント
チャット導入のポイント
失敗を防ぐ導入・運用のポイント
ビジネスチャットは、社内のコミュニケーションをスムーズにし仕事の効率を大幅にアップすることが可能なツールです。 しかし導入や運用によっては、仕事の処理スピードを上げることができなくなってしまいます。もし、ビジネスチャットを導入しているのに思ったような成果を上げられず、運用がなされていない状態になってしまっているなら、選ぶべきツールが間違っている可能性もあります。
運用にあたってのルール作り
ビジネスチャットを導入する際のルールは、ビジネスチャットを社内に定着させるために重要となります。
メールは基本的に使わない
全社的にビジネスチャットをコミュニケーションツールとして導入したら、メールは基本的に使わないようにしましょう。メールでの連絡が残っていると、なかなかビジネスチャットへの切り替えが進まず中途半端な状態になり、情報の共有漏れが発生するリスクも発生します。
何のために導入するのかを明確に規定
ビジネスチャットを導入する理由について明確にしましょう。会議の回数削減なのか情報共有漏れの防止なのかなどを明確にしておくと、そのゴールに対して何ができていて何ができていないのかがはっきりし、さらに良い運用へ改善するための意見もあがるようになります。
管理職が率先して使用するように明文化
ビジネスチャットをいきなり全社運用するのはリスクがあるという場合は、試験的に一部の部署でテスト運用をしましょう。
ビジネスチャットの導入に関して管理職など一部の社員は抵抗を覚えることが多いので導入の際はそれらの社員にも受け入れられるような体制を作っておくことが重要です。
ビジネスチャットの選び方
導入コスト
無料プランのあるサービスも多くありますが、有料プランよりも利用できる機能が少ないなどのデメリットがあります。セキュリティ性・利便性に優れ、導入効果が期待できるサービスでも、自社のコストを超えてしまうと導入が難しくなります。
機能の充実
無料プランより有料プランの方が機能が多い傾向にありますが、運用時に必要な機能が搭載されているかを確認したうえで、両プランの機能比較をする必要があります。
柔軟性と拡張性
業務形態が複雑な企業であれば様々な業務フローに対応できる柔軟性、長期的な利用を考えている企業であれば必要な機能をカスタマイズできる拡張性が必要とされます。 悩まないためにも、何のために導入するのか、今後どのように利用していきたいか、どのような効果を期待しているかを明確にしたうえで検討した方が良いでしょう。
チャット導入のメリット
チャット導入のメリット
ビジネスチャットとは
ビジネスチャットとは、グループ会議や電話、メールでは難しかったリアルタイムのコミュニケーションをチャットを用いて実現したツールです。
ビジネスチャットを導入することにより、企業内で発信される情報を時間や場所を気にすることなく閲覧できます。
今までは当たり前だったメールや電話での連絡が徐々に減り、ビジネスチャットに移行している企業が増えています。
ビジネスチャットのメリット
メールや電話よりも気軽で簡単
メール特有の「お世話になっております」のような文面を書く必要もなく、会話をするように投稿できるのが最大のメリットになります。 また、場所や時間を選ばないことから、リアルタイムでのコミュニケーションも可能で、スピーディーな連絡や情報共有が可能になります。
修正が可能
メールを一度送信してしまうと、内容の修正をする事ができません。 内容訂正の為に、再度メールを作成しなければいけなく、結果的に時間がとてもかかります。 ビジネスチャットの場合間違えて送信してしまったものでも、後から修正することが可能です。
大人数でのスムーズなコミュニケーション
電話やメールでは基本的に1対1となり1つの情報を複数人に伝えるために大きな手間が生じてしまいまいます。ビジネスチャットを利用することで、1度の投稿でメンバー全員へ連絡できるため、伝達漏れを防ぐ効果があり、メールと異なり同時にコミュニケーションを取ることが可能になります。 住所歴から必要な情報を検索し形式を気にすることなく一斉に送信できるため、既存の伝達手段よりもスムーズなコミュニケーションが可能です。
プロジェクト別の情報共有が可能
個人間はもちろん、プロジェクトチームや部署など業務に応じたメンバーでグループを作成できるため、情報共有が効率的にできるのもビジネスチャットのメリットです。 ビジネスチャットの多くは標準機能としてファイル共有機能があります。これは、pdfなどの資料や画像や、音声データなどをメンバーに共有できる機能です。 作成途中の資料を社内のメンバーに確認してもらいたいときや、自身が属するグループ内に資料を展開したいときなどに活用できます。
スマホでも使うことができる
ビジネスチャットのなかには、アプリをダウンロードしてスマホでも使うことができるものもあります。外出先や営業に向かう移動時間でもチャットの確認ができるため、緊急の連絡にも素早く対応することができます。
導入のしやすさが最大のメリット
社内コミュニケーションを円滑にする事により、会社全体の動きが早くなり、ビジネスのスピードも早くなります。 導入直後は操作方法などの教育時間や慣れるまでにある程度時間が必要になりますが、 ビジネスチャットは直感的に使えるような仕様になっているものが大半を占めていますので、あまり時間はかかりません。
RPA導入のポイント
RPA導入のポイント
RPAの導入
組織に多くのメリットや効果をもたらしてくれるRPAですが、本格導入に向けた事前準備や自社業務に適したRPAの選定など、検証と調査を行い環境を整えなければその効果を十分に得ることができません。
1.導入目的の明確化
運用後の効果測定時に使用する指標の洗い出しを行うため、「なぜRPAを導入するのか」や「どのような効果を期待しているのか」を予め明確にしておきます。 最初の段階で導入目的を明確にしておくことにより、RPAに置き換える業務の選別やRPAツールの選定もスムーズに行うことができます。
導入目的の一例
- コスト削減によって商品やサービスの価格を引き下げたい
- 労働生産性を高め、リードタイム(作業期間)や時間外労働時間を短縮したい
- 入力ミスや認識ミス、情報管理ミスなどのヒューマンエラーを無くしたい
- 定型処理作業を担当している従業員の保有スキルを最大限に活用したい
2.業務の洗い出し
システム入力作業や事務処理作業、請求処理や経理業務など組織の中に点在するホワイトカラー業務を業務部門ごとに分けてまとめていきます。
その際、以下のような点を意識しながら整理することでRPAの導入効果を高めることができます。
- 定型業務か非定型業務か
- その業務に関わる担当者は何人か
- どのようなアプリケーションを使用しているか
- 一度の作業にどれだけの時間を費やしているか
- 業務に関連するアナログな情報や資料を今後どこまでIT化できるか
3.RPAに置き換える業務の選別
RPA対象業務のリストが完成したら、その中からRPAに置き換える業務の選別を行います。 組織全体におけるRPA導入効果の最大化を目指すためには、単純な導入効果だけではなく部門間の連携や他部門への影響、既存環境とのシステム連携などの諸条件も加味して検討しなければなりません。
4.ツールの選定
組織内に構築するRPA環境の全体像を明確にすることができたら、数多く存在するRPAツールの中から自社の求めている条件に最も適しているものを選定します。 RPAツールによってセールスポイントや特徴が大きく異なるため、 幅広く情報収集した上で検討する必要があります。
5.試験的導入と分析
思いがけないエラーやトラブルによって業務遂行に問題がないようにするため、本格導入に先駆けて試験導入を実施します。
多くの場合、本格導入時よりも小規模かつ短時間で実施します。
また導入後に発生するエラーやトラブルの洗い出しと対処方法の検討を行い、この際『誰がどのような形で対処するのか」や「IT管理者などIT関連に詳しい人材の不在時はどうするのか」など、組織の現状や従業員の保有スキルと照らし合わせながら検討しておくことによって、損失の縮小と業務停止期間の短縮を図ることができます。
6.本格導入
不測の事態に備え本格導入後は次のような点をチェックしながら運営管理するように心掛けましょう。- 設定した通りの処理が行われているか
- 更なる効率化を実現させる改善点はないか
- RPAツールの作業レベルや設定台数がRPA管理者のキャパシティを超えていないか
- 組織内に存在する全てのRPAを正しく管理運営できているか
- 部門間連携、既存システムとの連携は正しく行えているか
7.導入効果の検証
導入後の効果を検証することによって、効果の確認、運用の見直しなどを継続して行うことによってより円滑な運用と効率化が図れます。
RPAに注目が集まる理由
これまで生産性の向上や業務補助を目的として多くの場面で活用されてきた外部委託や派遣社員の人材が不足し、また、業務遂行に欠かせない知識の伝達や技術の指導、製品やサービスの品質を維持するためのチェック環境の構築、管理担当者の配置など多くの手間とリソースを必要とすることから、代替案を求める声が多くありました。 デジタルデータに関する周辺環境やRPAの強みである「絶対に自ら辞めない」、「24時間365日働き続ける」、「状況変化に強く、同じ失敗を繰り返さない」、「ノンプラミングによる業務やオペレーションの自動化が可能」などの性質を積極的にアピールしたことにより、外部委託や派遣社員に変わる新しい業務パートナーとして注目が集まるようになりました。
完全自動化システムと共存
AI技術の進歩やオフィスのデジタル化に伴い、RPAの持つ力を活用できるビジネスシーンは日々増加しています。しかし自分の担当業務も将来的にAIやRPAなどに置き換えられてしまうかもしれないという不安や業務の縮小による不安の声が多くなりつつありました。
しかし、それらの性能を最大限に活かすためには人間によるサポートやメンテナンスが欠かせません。
また、RPAに業務を引き継ぐことによってフリーとなった従業員を別の業務に活用することによって更なるビジネスチャンスを生み出すこともできます。
共存の事例
- RPAに事務業務全般を担当してもらい、従業員に顧客サポートに注力させる
- 新規事業開発や新プロジェクトに着手する
- 創造的業務を人間が担当し、入力業務や管理業務、判断業務をRPAを担当させる
RPAの事例
RPAの事例
RPAとは
RPAとは、これまで人間が手作業で行ってきた仕事をAIや機械学習などの認知技術を取り入れたロボットに代行してもらうことにより自動化や効率化を図る取り組みを指す言葉です。大量の仕事を素早くこなすことができ、作業精度が非常に高く、集中力の低下によるエラー率の増加や生産性の低下が起きないのがメリットになります。
導入の事例
大量の顧客情報を取り扱う金融、保険業などを中心に導入が進んでおります。また単純な事務作業に関しても徐々にRPAに置き換わっております。
作業レベルの均一化
導入例として、通信会社の顧客管理業務があります。顧客管理業務では画面遷移が必要数多く存在する作業で選択肢から瞬時に最適解を導き出さなければならないためミスが多発していおり熟練スタッフと新人スタッフの処理速度に大きな差があり、また新人スタッフの教育に時間がかかるため、人手不足が常態化していました。
この業務にRPAを導入することによって、1件あたりの処理時間が1分に大幅短縮され、設定されたルールに従ってRPAが最適な条件を導き出すことでミスが消滅し、
これまで熟練スタッフ10名を要していた作業が新人スタッフ1名で対応可能になりました。
ストレス軽減と保有スキルの活用
経理業務での導入例として、この会社では毎日100件以上発生する入金情報を確認しながらの自社会計システム上データの消しこみ作業によって、作業担当者のストレスが大きく、それによるミスが多発しておりました。 そこで、RPAを用いてインターネットバンキングからCSVファイルをダウンロード、CSVファイルに必要な情報を追加したExcelファイルの作成を自動化、 これにより作業時間の大幅短縮とストレスの軽減が実現し、作業担当者が保有しているスキルの他業務へ活用する環境が整いました。
販売情報の転記
販売業での導入例です。これまでは、約100社の卸会社からエクセルで送付される販売報告情報を手作業でエクセルに転記していました。エクセルの入力負担を軽減するために、フォーマットの統一化や入力ルールの厳密化に取り組むも協力会社がルールに則ってくれないという問題があり、また、転記後もデータ形式を確認しないと、正しくシステムに登録されないという問題がありました。 RPA導入により、入力項目がずれていても、RPAが入力項目と入力内容を特定して転記してくれるので、手動での手入力削減が、5日かけて4人がかりで行っていた作業がほぼなくなりました。
RPAに注目が集まる理由
これまで生産性の向上や業務補助を目的として多くの場面で活用されてきた外部委託や派遣社員の人材が不足し、また、業務遂行に欠かせない知識の伝達や技術の指導、製品やサービスの品質を維持するためのチェック環境の構築、管理担当者の配置など多くの手間とリソースを必要とすることから、代替案を求める声が多くありました。 デジタルデータに関する周辺環境やRPAの強みである「絶対に自ら辞めない」、「24時間365日働き続ける」、「状況変化に強く、同じ失敗を繰り返さない」、「ノンプラミングによる業務やオペレーションの自動化が可能」などの性質を積極的にアピールしたことにより、外部委託や派遣社員に変わる新しい業務パートナーとして注目が集まるようになりました。
RPAとAIの違い
RPAとAIに関してはきちんとした定義が定められておりませんが意味はそれぞれ違い、 直訳すると RPAは「ロボットによる手順の自動化」 に、 AIは「人工知能」 になります。 RPAはただ単に業務の効率化のためツール全般を指します。AIはそれらに活用する技術を指すことが多いです。
同一労働同一賃金のメリット
同一労働同一賃金のメリット
好循環を生みなす流れを作れる
個人の経済に好循環が生まれることが期待できる
非正規労働者であることで、希望と異なる報酬しか受け取ることができず、自分がイメージするライフスタイルを送れないことがあります。
今回の法制定で、一人ひとりが適正な報酬を受けることができれば、個人の経済状況が上向き、生活に余裕ができることも考えられます。経済にも好影響を与えるとして期待されています。
自分に合った働き方・生き方が選べる
雇用形態や勤続年数によってではなく、スキルや経験、成果によって報酬が決まるようになれば、より柔軟なワークスタイルの選択肢が広がります。「正規労働者だから・非正規労働者だから」という議論ではなく、多くの人がライフステージにあわせて仕事を選択できるようになります。
キャリアの途中でも、育児・介護などや通学などでプライベートの期間を設ける、派遣社員として専門スキルを積み独立するなど、個人の希望する働き方ができるでしょう。
非正規社員のパフォーマンスが向上する
仕事に対するモチベーションは人それぞれですが、やはり賃金はモチベーション維持のために最も重要な要素のひとつです。賃金が上がれば非正規社員のモチベーションが上がり、彼らのパフォーマンスの向上が期待できます。ひいては、企業の業績アップにつながるかもしれません。
非正規雇用ではなくなる可能性も
格差が是正されることによりパフォーマンスの高い非正規社員が正社員として雇用されるケースもあります。また正規、非正規という概念を無くし全社員正規雇用扱いにする企業も存在します。
優秀な人材の定着率が向上する
さまざまな働き方が可能になり、適正に報酬を受けることができれば、社員の満足度も上がり、よりよい環境を求めて退職する人も少なくなり、優秀な人材が豊富に定着することにもつながります。
どのような形で法制化するのか
正規雇用者と非正規雇用者間の処遇格差について、「同一労働同一賃金」という言葉そのものを制度化するというわけではありません。
同一労働同一賃金の多くが、「合理的理由の無い処遇差別の禁止」という形で条文化されています。賃金だけに限定してしまうと、労働の対価としての給与以外の手当や経費などについての処遇格差は制度外の問題とされてしまうのです。
賃金以外の給付についても処遇格差が生じないようにするために広く処遇を意味する形で「合理的理由の無い処遇差別の禁止」という文言が使用されているのです。
賃金差の合理的理由を社員に説明する責任が生まれる
同一労働同一賃金の導入に伴って法改正が進むと、なぜ賃金に差があるのかを立証する責任が企業に生まれます。合理的理由が説明できない場合には企業が賠償責任を負う可能性もあります。労働者側も労働条件等にしっかり目を通す必要があります。
同一労働同一賃金のポイント
同一労働同一賃金の事例
同一労働同一賃金では賞与も対象に
働き方改革の大きな柱の1本である「正規・非正規間の格差是正」を目指した「同一労働同一賃金」制度があります。さまざまなメディアで取り上げられているように、「同一の労働に従事する労働者には同一の給与を支給する」という考え方のもと、EU諸国に普及している考え方をベースに、現政権で法制定に向けて議論が進んでいます。
同一労働同一賃金ガイドライン案では、企業・働く人双方に影響が少なくない「給与」に関しての項目もあり、基本給以外の「各種手当」、福利厚生や賞与などの考え方も含まれています。
また、通勤手当などは、制度設定の目的が「通勤にかかる費用負担」なので、雇用形態で差をつける合理的な理由はありません。そのため、同一労働同一賃金では、非正規雇用であっても正社員と同じように通勤手当を支払う必要があります。
イケアジャパンの事例
大手家具メーカーであるイケアジャパンは、労働者を雇用形態関係なく『コワーカー』と呼び、同じ業務である場合は同じ賃金が適応される制度を導入しています。また同一の福利厚生を適用、労働時間の選択が可能となっております。
雇用区分の廃止によるメリット
雇用区分を廃止し、全社員を同一の身分にしたことにより、
給与水準が大幅にアップしたことにより、税法上の扶養控除がなくなってもそれをカバーできるだけの収入が見込まれることから、より長時間働きたい、新しいことにチャレンジしたいというコワーカーが増加し、
また、地域ごとに異なっていた賃金を全国一律にしたことで、地方への転勤希望がでるなど、働く場所の選択肢の拡大にもつながりました。
有期契約から無期契約に切り替わったことにより、コワーカーの間に安心感や安堵感が広がり、長期でのキャリアやライフプランを考えることができるようになり離職率も低下傾向になりました。
日本郵政の場合
日本郵政グループは正社員の一部の住居手当を廃止することを検討。 そのほかに正社員の遠隔地手当や寒冷地手当も削減。一方、繁忙期の年末年始手当のうち、年始勤務手当は非正規社員にも支給し、年末手当は廃止としました。 人件費の高騰を避けるため正社員の待遇を非正規社員に近づける事で同一労働同一賃金を実現しました。
非正規社員の賃金をあげた場合、総人件費が高くなります。会社の財源も限られているので、このように賃金自体が相対的に下がる可能性もあります。
同一労働同一賃金は、本来の目的通りに実現すれば非正規社員の賃金向上と格差の是正につながるかもしれません。
一方で、実現に至るまでには多くの課題があるため今後の動向にも注目する必要があります。
同一労働同一賃金の事例
同一労働同一賃金のポイント
同一労働同一賃金制度とは
同一労働同一賃金制度は、同一の労働に従事する労働者には同一の給与を支給するというもので、EU諸国に普及している考え方です。
非正規雇用労働者は、正規雇用労働者との間に不合理な待遇差があるなかで雇用契約を交わしています。
正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差を解消し、どのような雇用形態を選択しても納得が得られる処遇を受けられるようにするため、同一労働同一賃金の実現が求められています。
「正規だから」「非正規だから」といった基準ではなく、「この業務をこなしたから」「この会社で働く人材だから」といった基準で、均等・均衡な待遇を求められます。
正社員と非正規社員の格差
短時間勤務や週に数日だけ仕事をするなどライフスタイルに合わせた働き方をするため、自分から希望して非正規社員になる人もいますが、それでも正社員と仕事は同じなのに給料が安いといった不満の声は少なくありません。 そのため、不本意ながら非正規社員を続けている労働者の場合は、賃金格差に関する不満は一層、深刻なものとなり、モチベーションの低下につながります。非世紀雇用者の数は年々増加しており、格差の是正が急務となっております。
同一労働同一賃金ガイドライン案
同一労働同一賃金を実現するために、ガイドライン案では、各企業において以下のような取り組みが必要になるとまとめています。
正規社員、非正規社員それぞれの賃金決定の基準やルールを明確にし、「職務と能力など」と「待遇」との関係を含む処遇体系を労使で話し合い、非正規社員を含めて労使間で共有する
それぞれの企業が、自社の職務内容や社員一人ひとりの能力・スキルなどを明確にして、処遇体系全体に関して労使間で確認し、全社員の処遇に関する基準を共有することが求められます。 賃金決定の基準やルールの違いなどがある場合には、公平な理由などを明らかにしておくことが必要です。
賃金以外の、福利厚生や能力開発などの処遇の均等を図り、生産性の向上を目指す
合理的でない待遇の格差は賃金だけではありません。有給や交通費、社内食堂などのファシリティーといった福利厚生、キャリア形成・能力開発などのスキルアップの機会において、格差がある項目は多岐にわたります。福利厚生は、たとえば子育てサポートや資格の取得支援、サークル活動の支援、有給休暇制度や財産形成貯蓄なども含まれます。 能力開発に関しては、非正規の社員にも機会を与えることで、個人のスキルアップ、生産性が向上することで、結果、弾力のある組織にもつながります。
派遣労働者に対する均等・均衡処遇
派遣労働者が、派遣先の労働者と比較して職務内容、職内容や配置の変更範囲、また、その他の事情が同じ場合、派遣元事業者は均等・均衡な待遇を図る必要があります。具体的には、派遣先の労働者と同じ賃金を支給し、福利厚生施設の利用や教育訓練の機会を与える必要があります。 均等・均衡待遇を図る上での待遇差について、社員サイドの納得度の高さが重要なポイントです。雇用形態に関わらず均等の処遇が確保され、誰もが自由にワークスタイルを選ぶことができる就労環境を目指すとしています。
正社員と非正社員の仕事区分を明確にする
同一労働同一賃金は、職務内容が同じであれば同じ賃金を支給しなければなりませんが、違いがある場合には違いに応じた賃金の支給をするという考え方です。そのため、正社員と非正社員の職務内容を明確に区分し、違いを明らかにすることにより、比較が行いやすくなります。
同一労働同一賃金ガイドライン案では、今後、各企業が職務や能力等の内容の明確化と、それに基づく公正な評価を推進し、それに則った賃金制度を、労使の話し合いにより、可能な限り速やかに構築していくことが、同一労働同一賃金の実現には望ましいとあります。
仕事を明確に区分することで、非正規社員が正規社員との違いを理解できれば納得度が高くなり、待遇格差によるトラブルの防止にもつながります。
業績や成果に応じて支給する
日本でも、成果主義を導入している企業はありますが、基本給のすべてを業績や成果で決めるのではなく、さまざまな要素を組み合わせて決定する企業がほとんどです。 複数の基準を組み合わせて給与を決定する場合、それぞれの評価項目ごとに、正規雇用労働者と非正規雇用労働者が同一かどうかを判断する必要があります。
これまで、パートタイム労働者と派遣労働者においては、賃金、福利厚生、教育訓練などの待遇内容に関して説明責任が課されていました。改正後は、有期雇用労働者にも本人の待遇内容および待遇決定に際しての考慮事項に関する説明義務が創設されます。 また、 非正規労働者が正社員との待遇差に不満がある場合、改正によって、待遇差の内容や理由について説明を受けられるようになり、パートタイム労働者・有期雇用労働者・派遣労働者について、事業主に正規雇用労働者との待遇差の内容・理由等の説明を求めた場合に、説明義務が創設されました。この説明を求めたことによる不利益になることは禁止されます。
システムによる評価システムの可視化
今後、格差縮小を目指し施策を行う必要があります。システムを用いて可視化することにより公平な評価を行うこと、また可視化することによって正規社員、非正規社員共に納得させることができます。
残業時間の上限規制のポイント
残業時間の上限規制のポイント
労働基準法改正
労働基準法が改正され、4月より時間外労働に罰則付きの上限が設けられました。ただし、中小企業については、2020年からの適用になります。また、建設の事業、自動車運転業務、医師については、当分の間(5年間)適用を猶予されます。新技術・新商品等の研究開発業務については、適用除外となっています。
時間外労働できる上限時間が、1ヵ月45時間、1年360時間になります。今までも1ヵ月45時間以内、1年360時間以内と、労基署等から指導を受けた事業所も多いと思いますが、今までは「限度基準告示」で定められたものでした。
それが今回、法改正によって、「告示」から「罰則付きの法律」に格上げされました。ですので、1ヵ月45時間、1年360時間を超える協定を結ぶことは、法違反ということになりました。
また、今までは年6回については、特別条項を結ぶことで1ヵ月及び1年間について上限のない協定を結ぶことができました。実質、青天井でした。しかし、今回の法改正によって、たとえ特別条項を結んだとしても、1ヵ月の上限は100時間未満、1年の上限は720時間となりました。
また特別条項による1ヵ月100時間未満の時間外・休日労働ですが、たとえ単月で100時間未満であったとしても、2~6ヵ月のそれぞれの平均がすべて80時間以下でなければなりません。
36協定
36協定は、正式には「時間外労働・休日労働に関する協定届」といい、労働基準法第36条に該当することから、「36協定(サブロク協定)」と呼ばれています。業務の繁忙期や緊急対応などによって、法定労働時間を超えた労働や法定休日に労働する場合も考えられるため、あらかじめ企業と労働者(労働組合、もしくは労働者の過半数を代表する者)が書面で36協定を締結し、所轄労働基準監督署長に届出を行います。これによって、法定労働時間を超える残業が認められるようになるため、36協定の届出をせずに時間外労働をさせることは労働基準法違反となります。
36協定経過措置
改正法の施行に当たっては、 経過措置が設けられています。この経過措置によって、施行前と後に跨がる期間の36協定を締結していた場合には、その初日から1年間に限っては、その協定は有効となります。
残業代、有給消化のポイント
割増賃金
時間外労働関連で、中小企業がおさえておくべきポイントとして挙げられるのが、「月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率(50%以上)」になります。大企業ではすでに2010年より適用されていますが、2023年4月1日からはこれまで猶予されていた中小企業も例外なく対象とされます。 時間外労働の上限規制と共に、月60時間超の割増賃金率増への対応を考える上では、企業において「そもそも残業が生じない体制」の整備を検討する必要があります。
一定日数の年次有給休暇の確実な取得
使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、5日について、毎年、時季を指定して与えなければならないことになります。
取引先との環境の改善
自動車運転従事者の時間外労働の原因として「人手不足」をあげるものが多く、また12月に深夜業が多く、また、ストレス発生原因として、バスは長時間労働、タクシーは売上・業績等、トラックは精神的な緊張ストレスが最多となっています。トラックでは、企業における取引慣行として荷主から要請される事項として、「荷主の都合による入出庫の手待ち時間」「契約外の作業」を挙げるものが多かったとされています。
長時間労働の是正には取引環境の改善も非常に重要です。労働時間等設定改善法では、事業主の責務として、短納期発注や発注の内容の頻繁な変更を行わないよう配慮するよう努めることと規定されました。
様々な取引上の制約が存在する場合があることから、長時間労働の是正は事業者側のみの努力での解決が難しく、取引関係の在り方も含めて改善や長時間労働の抑制に向けた取組の実施が必要となります。業種・業態の特性に応じて発注条件等の適正化を促進する等、取引関係者の発注の仕方等に問題がないのか、といった見直しも検討する必要があります。