2019/08/27

働き方改革と健康経営のメリット

働き方改革と健康経営のメリット

働き方改革を阻む意外な要因

働き方改革を阻む意外な要因として社員の不健康が挙げられます。

・休職者の増加

社員の不健康化が進んでしまうと、生活習慣病などの疾病、メンタルヘルスの不調などを引き起こす可能性が高まります。重度の場合は休職せざるを得ない場合もあるでしょう。
突然の欠員が増えると他の社員がカバーすることになるので、長時間労働やオーバーワークなどが起こりかねません。

・モチベーションの低下

社員が疲弊し、心身共にストレスを抱えた状態であると、出社をしても仕事をする気にならない、集中力が続かないといった事態に陥ります。仕事へのモチベーションが保ちづらくなり、パフォーマンスの低下にもつながります。
このように、社員が不健康であることは、働き方改革が進まない要因の一つになりえるのです。

社員の健康管理の重要性

近年社員の健康管理、増進が注目されるようになりましたが、どうしてここまで叫ばれるようになったのかというと、「社員の健康を増進させることが、結果的に労働生産性を高めることにつながる」ということが分かってきたからです。
長時間労働や過重労働で疲弊した社員は、体調不良や集中力の低下によってミスを起こしやすくなります。また、組織が全体的に落ち込んだ雰囲気では、前向きな行動やアイデア、活発な意見交換などは成しがたいものです。社員が集中して取り組むことができ、前向きで活発な組織づくりを行うには、まず社員の健康管理から始める必要があります。社員が健康になれば、その分労働生産性は向上していくはずです。

リスク管理と健康経営

電通事件をはじめ、過労死が表面化してきました。健康障害が発生しない取り組みを講じていかないと、大きな社会的非難を浴びる時代となっています。労働基準監督署の調査も次々と入り、細かいチェックが入ってます。企業イメージが損なわれることのデメリットも計り知れません。
また、従業員の健康障害や過労死があった場合、雇用主はもとより管理監督者である上司も訴えられる事態となっています。健康経営はリスク管理として捉えなければならないのです。

健康経営とは

健康経営とは健康経営研究会によると「企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても大きな成果が期待できるとの基盤に立って、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践することを指します。
従業員の健康を経営資源と捉え、企業主導で従業員の健康維持に取り組むことにより、従業員の活力及び生産性の向上の実現、業績アップが期待できます。また、従業員が健康であれば、会社負担分の医療費の削減ができるといったメリットもあります。

健康経営優良法人認定制度とは

「健康経営」を評価する認定制度や表彰制度はいくつか存在しますが、最も注目度が高いものが、経済産業省による「健康経営優良法人認定制度」です。
これは、「地域の健康課題に即した取組や日本健康会議が進める健康増進の取組をもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度」です。
認定基準は、

  • 経営理念(経営者の自覚)
  • 組織体制
  • 制度・施策の実行(健康課題の把握、対策の検討、ワークライフバランスの推進、健康増進・生活習慣病予防対策、メンタルヘルス対策など)
  • 評価・改善
  • 法令遵守・リスクマネジメント

という5つの大項目をベースに、それぞれ具体的な取組みが評価項目として設けられています。これらの認定基準が十分に満たされていることで、「健康経営優良法人」と認定されます。

健康経営優良法人に認定されれば、企業のイメージや社会的評価の向上はもちろん、認定企業は金融機関から低利融資などの優遇措置を受けられることもあります。

健康経営のメリット

医療費の削減

メリットの一つに、医療費削減があります。
従業員が健康になり病院に行く回数が減ることで、企業が負担する医療費も減ることとなります。

労働生産性の向上

健康経営の各施策によって、心身の体調不良による休業や休職者が減ること、出勤していても調子が悪く、ボーッとしてしまい、生産性が落ちてしまうことを減らしていく効果があります。
特に後者の「出勤しているけれどパフォーマンスが悪いことによる損失」は、企業が負担する医療費や、休業による損失額よりも大きいと言われています。

従業員が健康になる

従業員にとっての最大のメリットは、健康になるということです。
健康経営の施策によって、健康に対する意識づけや、正しい知識を学ぶことができ、生活習慣の改善などにつながるでしょう。

まとめ

働き方改革の推進させるには、まず社員の健康と就業環境の健全化が必要不可欠です。社員の健康増進によって、集中力の向上やモチベーションアップなど、働き方改革を進めるうえでプラスの効果を発揮するメリットが多くあります。まずは会社の現状を把握し、課題に適した取り組みを行うことが大切です。