2018/11/06

働き方改革事例

働き方改革の事例

働き方改革の取り組み

働き方改革に向けた取り組みと言ってもどのように行うかがよくわからない方が多いと思います。
働き方改革における職場環境の改善はただ単に勤務時間を減らすということではなく、誰もが働きやすく、効率的で生産性の高い職場環境を構築することを指します。
そこで参考になる、事例を幾つか取り上げ、実際に行われた取り組みをご紹介いたします。

  • 短時間勤務制度
  • フレックスタイム制度
  • AIを用いた自動化
  • 在宅勤務
  • 残業時間の削減

働き方改革事例

短時間勤務制度の事例

短時間勤務制度とは育児や介護にたずさわる社員を対象に、勤務時間を30分、あるいは2~3時間ほど短縮する制度です。
ただしルールが固定化した短時間勤務では、充分に活用されず浸透しません。
時間短縮パターンを複数設定した上で状況によって柔軟に対応させ、また情報共有の徹底と1業務を複数担当にすることによって、業務に支障を与えることなく、実現することが可能です。

ブラザー工業では、小学校4年生までの子どもの養育ならびに家族の介護を行う社員を対象に、1日の所定労働時間7時間50分を 5時間50分、6時間50分のいずれかに短時間勤務短縮できる制度があります。

短時間勤務はフレックスタイム制と組み合わせることで、選択の幅を広げ、より多様な働き方に対応できるようにしている企業が多くあります。

フレックスタイム制度の事例

1か月以内の期間で総労働時間を規定し、その枠内で始業・終業時間を自由に決定できる仕組みです。
以前から導入している企業が多かったですが、働き方改革に向け導入企業が増えております。
1日のうちで必ず勤務するコアタイムを指定し、それ以外の時間は始業・就業を自由に規定することができます。

大京の場合、始業時間を9:30、10:00、11:00、13:00、自由設定の中から選べるようになっています。
また日産の場合、業務・職種によりますが、コアタイム設定のないフル・フレックスを実施しています。

AIを用いた働き方改革の事例

大同生命保険では支払査定業務にAIを導入し業務の効率化を行っており、将来的には全事務業務に適用される予定です。

企業規模が大きい上場企業では、人工知能などを用いた自動化などが積極的に行われております。
IBMのワトソンはライトプランであれば無料で利用することが出来、導入のハードルが年々低くなっているのが特徴です。
将来的に些細なタスクはすべて自動化されることが想定されます。

在宅勤務

テレワークなど、場所を選ばずに業務を可能とするテレワークも効果が高く、通勤時間、オフィス費用の削減、休業からのスムーズな復帰支援、障害者雇用に利用出来ます。
ただし在宅の場合情報漏洩などのセキュリティリスクの防止を徹底する必要があります。
在宅勤務は、通勤の疲労がない状態で業務を行うことが出来るためモチベーションの維持、また常に仕事に取り組むことが出来る環境が出来るためワークライフバランスの向上が期待できます。
特に育児をしながら仕事をする人、介護を行いながら仕事をする人など都合上会社に出勤できない人にとっては在宅勤務は大きなメリットとなります。

残業時間の削減事例

「働き方改革」の柱である長時間労働の削減は、日本企業の多くに課せられたテーマでもあります。
長時間労働を削減するために、業務フローの見直し、残業の事前申請化、残業恒常化の要因分析と対策など、原因と対策を行うことが重要になります。
今までの事例や取り組みと組み合わせることにより、実現が可能となります。
トヨタ紡織は、ノー残業デーを設定、ただノー残業デーを設定しても浸透しにくいという理由で「コミュニケーションデー」と称し、帰宅後に家族などとのふれあう時間を作ると言う意味合いもあります。

大同生命保険では原則19時に全員退社を徹底しており、pcが強制シャットダウンされますが、残った業務が持ち帰りになるなど仕事の削減という点では、まだ問題が多く残しております。

働き方改革の効果? 現状の残業時間

残業時間平均

マイナビの調査では2018年の残業時間は2014年から5年連続で減少し、調査開始時の2012年から18時間の減少の平均28時間となっておりました。ワークライフバランスの実現は大手企業が率先して行っている他、人材不足が叫ばれる業種に関しても人材確保に向けた健全な労働環境づくりに取り組んでいます。

これまでの長時間労働が当たり前だった職場において社員の働き方を変えるために、企業は長期的な取り組みが求められいます。

参考記事

しっかりと定着させる

このような働き方改革の成功事例は社員の働き方改革に対する理解と徹底が必要になっていきます。いくらルール作り、制度をしっかりしても定着せず利用されなければ意味がありません。

制度を支える仕組みを充実させて定着させる

働き方改革における施策を浸透させるために、専門家を招いて講演を行い、自信をもって働き方改革を推進する機運を高めるなど、制度そのものと制度を支える仕組みを活用することによって社内に定着させることが出来ます。またツール、システムの導入によって働き方改革を行う場合はツールの使い方、運用の方針を決め、教育する必要もあります。ツールは導入して終わりではなく運用や利用状況を随時確認することによって効率化と定着を図れます。

目標を設定する

具体的な数値を決め、具体的な目標を課する事によって、明確に何をすればいいのかが具体的になり、社員一人ひとりに明確な目標意識が根付くことによってより定着しやすくなります。また目標は最初のうちはハードルを低く設定し徐々に高くすることによって段階的に働き方改革に基づいた働き方にすることによって自然と定着するようになります。

システム化で定着を促す

可視化と共有で効率化 意識作りに効果

社内のシステム化も働き方改革を後押しする一因となっております。SFA、CRMなどに代表されるスケジュール、営業管理ツールは働き方改革における効率化、見える化に大きく貢献しております。

スケジュールの共有と可視化によって、急な欠員や引き継ぎ、業務の変更の際にスムーズに対応することができる他、管理者が従業員の動きを把握することが出来、今後の業務の方針を定めやすくなります。

初期投資は大きいですが、長期的な効果とコストパフォーマンスは高いと言えます。

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働き方改革が定着しない理由

これまでの常識が染みついてしまっている

例えば、上司よりも先に帰れないという雰囲気が社内にあったり、残業をしていると評価されるというような長時間労働を肯定する傾向があったりすると、いくら退社を促してもなかなか浸透しにくくなってしまいます。 まずは、これまでの常識や習慣を見直し、新しい空気を作っていく事が必要です。

負荷の把握が出来ていない

デスクワークは、仕事の量が目には見えづらく、机の上の紙の量で何となく推察する事も出来ますが、整理できていないだけでそこまで仕事を抱えている訳ではないというケースもあります。もちろん、働き方改革は重要ですが、それも今抱えている業務の整理が出来てこそです。 業務量が個人や時期で偏ってしまっていたりすると、働き方改革への意欲はあっても、取り組む事は難しくなってしまいます。

働き方改革には、現状の把握と意識の改革が必要

働き方改革を行うには、まずは現状の把握が第一に必要です。今この会社にどういった問題があるのか、そして何が必要なのかを改めて検討していく必要があります。現状の把握が出来ると、次第と対策や必要なものなども見えてくるようになり、徐々に働き方改革が社内に定着していきます。

まとめ

今回は、実際の企業事例をもとに、働き方改革の取り組みを紹介しました。
働き方改革実現に向けては、この事例を参考に自社に合わせてやってみる他、
「現状の把握と目標設定」→「目標を達成できる手段を選択」→「検証と改善」の3ステップで進めていくことによって、
どのような取り組みが合っているのか、効果的に実現可能か検証して行うことにより、
効果を高めたり会社に合わせた導入を行うことができます。
企業、従業員が積極的に意見し参加することによって、その企業にあった双方にメリットのある働き方改革が実現できます。