2019/01/24

RPA導入のポイント

RPA導入のポイント

RPAの導入

組織に多くのメリットや効果をもたらしてくれるRPAですが、本格導入に向けた事前準備や自社業務に適したRPAの選定など、検証と調査を行い環境を整えなければその効果を十分に得ることができません。

1.導入目的の明確化

運用後の効果測定時に使用する指標の洗い出しを行うため、「なぜRPAを導入するのか」や「どのような効果を期待しているのか」を予め明確にしておきます。 最初の段階で導入目的を明確にしておくことにより、RPAに置き換える業務の選別やRPAツールの選定もスムーズに行うことができます。

導入目的の一例

  1. コスト削減によって商品やサービスの価格を引き下げたい
  2. 労働生産性を高め、リードタイム(作業期間)や時間外労働時間を短縮したい
  3. 入力ミスや認識ミス、情報管理ミスなどのヒューマンエラーを無くしたい
  4. 定型処理作業を担当している従業員の保有スキルを最大限に活用したい

2.業務の洗い出し

システム入力作業や事務処理作業、請求処理や経理業務など組織の中に点在するホワイトカラー業務を業務部門ごとに分けてまとめていきます。
その際、以下のような点を意識しながら整理することでRPAの導入効果を高めることができます。

  1. 定型業務か非定型業務か
  2. その業務に関わる担当者は何人か
  3. どのようなアプリケーションを使用しているか
  4. 一度の作業にどれだけの時間を費やしているか
  5. 業務に関連するアナログな情報や資料を今後どこまでIT化できるか

3.RPAに置き換える業務の選別

RPA対象業務のリストが完成したら、その中からRPAに置き換える業務の選別を行います。 組織全体におけるRPA導入効果の最大化を目指すためには、単純な導入効果だけではなく部門間の連携や他部門への影響、既存環境とのシステム連携などの諸条件も加味して検討しなければなりません。

4.ツールの選定

組織内に構築するRPA環境の全体像を明確にすることができたら、数多く存在するRPAツールの中から自社の求めている条件に最も適しているものを選定します。 RPAツールによってセールスポイントや特徴が大きく異なるため、 幅広く情報収集した上で検討する必要があります。

5.試験的導入と分析

思いがけないエラーやトラブルによって業務遂行に問題がないようにするため、本格導入に先駆けて試験導入を実施します。 多くの場合、本格導入時よりも小規模かつ短時間で実施します。
また導入後に発生するエラーやトラブルの洗い出しと対処方法の検討を行い、この際『誰がどのような形で対処するのか」や「IT管理者などIT関連に詳しい人材の不在時はどうするのか」など、組織の現状や従業員の保有スキルと照らし合わせながら検討しておくことによって、損失の縮小と業務停止期間の短縮を図ることができます。

6.本格導入

不測の事態に備え本格導入後は次のような点をチェックしながら運営管理するように心掛けましょう。
  1. 設定した通りの処理が行われているか
  2. 更なる効率化を実現させる改善点はないか
  3. RPAツールの作業レベルや設定台数がRPA管理者のキャパシティを超えていないか
  4. 組織内に存在する全てのRPAを正しく管理運営できているか
  5. 部門間連携、既存システムとの連携は正しく行えているか

7.導入効果の検証

導入後の効果を検証することによって、効果の確認、運用の見直しなどを継続して行うことによってより円滑な運用と効率化が図れます。

RPAに注目が集まる理由

これまで生産性の向上や業務補助を目的として多くの場面で活用されてきた外部委託や派遣社員の人材が不足し、また、業務遂行に欠かせない知識の伝達や技術の指導、製品やサービスの品質を維持するためのチェック環境の構築、管理担当者の配置など多くの手間とリソースを必要とすることから、代替案を求める声が多くありました。 デジタルデータに関する周辺環境やRPAの強みである「絶対に自ら辞めない」、「24時間365日働き続ける」、「状況変化に強く、同じ失敗を繰り返さない」、「ノンプラミングによる業務やオペレーションの自動化が可能」などの性質を積極的にアピールしたことにより、外部委託や派遣社員に変わる新しい業務パートナーとして注目が集まるようになりました。

完全自動化システムと共存

AI技術の進歩やオフィスのデジタル化に伴い、RPAの持つ力を活用できるビジネスシーンは日々増加しています。しかし自分の担当業務も将来的にAIやRPAなどに置き換えられてしまうかもしれないという不安や業務の縮小による不安の声が多くなりつつありました。
しかし、それらの性能を最大限に活かすためには人間によるサポートやメンテナンスが欠かせません。 また、RPAに業務を引き継ぐことによってフリーとなった従業員を別の業務に活用することによって更なるビジネスチャンスを生み出すこともできます。

共存の事例

  1. RPAに事務業務全般を担当してもらい、従業員に顧客サポートに注力させる
  2. 新規事業開発や新プロジェクトに着手する
  3. 創造的業務を人間が担当し、入力業務や管理業務、判断業務をRPAを担当させる