2020/02/07

ダイバーシティの課題

ダイバーシティの課題

ダイバーシティの課題

ダイバーシティは企業に競争力を高めるメリットをもたらしますが、同時にデメリットも存在します。メリットとデメリットの両面があることを理解することが大切です。

ダイバーシティ推進で得られる効果

ダイバーシティとは、多様な属性や価値・発想の違いを活かし、個々の人材の能力を最大限引き出すことで、ビジネス環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、付加価値を生み出し続ける企業を目指す経営上の取り組みです。 社員一人ひとりが持つ様々な違いを受け止め、多様性を活かすことで、企業・組織の力を高めていく人材活用戦略です。
例えば多様な人材それぞれが、能力を発揮できるような働き方を追求することで、効率性や創造性が高まったり、多様な人材の活用で、顧客や市場からの外的評価を高め、それが、優秀な人材の確保につながったり、従業員一人ひとりのモチベーションが高まり、働きがいが出てくるなど ダイバーシティを推進していくことで、様々な効果が得られます。
ところが、ダイバーシティに取り組んでいる企業の中には、うまくいかない、効果が出ないということで、取り組みを止めてしまう企業がみられます。

ダイバーシティの課題

無意識の偏見や固定観念

人間には本来、過去の経験や環境から、無意識のうちに性別や年齢・人種などを根拠とした決めつけを行う傾向があり、多様な人材の活躍を阻む言動として現れる場合があります。 この問題をクリアしなければ、当然、チームパフォーマンスは低下します。

組織文化と多様性のパラドクス

また、組織文化と多様性のパラドクスという問題もあります。 これは、従業員の多様性を尊重し過ぎると組織に適合せずに大きくはみ出した従業員が生まれ、一方、従業員を組織に適合させようとし過ぎると、多様な人材の価値や強みが発揮できないというものです。
さらに、公平・公正な機会の確保と処遇を与えた上で、企業への貢献に応じた公平な評価が行われなければ、ダイバーシティはうまく機能しません。

ダイバーシティ実現に向けた研修プログラムの整備

ダイバーシティの考え方は、一日で構築できるものではありません。企業文化レベルまで引き上げるには、マネージャーといった経営層を含めた研修プログラムの実施が不可欠といえるでしょう。
プログラムでは、個々の人間が持つバイアスとそれがもたらす悪影響、それら悪影響を意思決定から排除する意識を形成させ、すべての社員が参加できる意思決定に職場を現実化するための行動を研修などで行い、組織を率いるマネージャーなどの経営層が、組織メンバーの意見を引き出すにはどういう思考を持った存在になるとよいのかを学びます。これは、ダイバーシティの定着に大きな影響を与えるでしょう。

まとめ

個々に経験やスキルを持つマイノリティの人たちが働きやすい環境を作れば、マイノリティの能力を活用してより良い組織ができるはずです。そのためには、従業員一人ひとりがマイノリティと呼ばれる方たちへの理解を深めて、無意識のバイアスや偏見を意識して是正する必要があります。