2019/10/31

働き方改革の目的

働き方改革の目的

働き方改革の目的

働き方改革を行う目的は、一人ひとりの意思や能力、個々の事情に応じた、多様で柔軟な働き方を選択可能とする社会を追求していくことで、労働者にとっての働きやすさを実現していくと同時に、減少する労働人口を抑えるため一人一人の生産性を高め、ライフワークバランスの向上の実現を目指すことを目的としています。


なぜ働き方改革なのか

以前から「日本人は働き過ぎ」と言われてきましたが、なかなか改革が進みませんでした。
しかし、ここにきて労働環境が一気に変わろうとしています。何故、労働環境が変わろうとしているのでしょうか。そもそも、働き方改革は何故始まったのでしょうか。

労働人口の減少

日本の総人口は今後も減少が予想されており、2050年には国内人口が1億人を下回ると言われています。 人口の減少にともない、労働人口も当然急速な勢いで減っていきます。 それに伴い、働き手であるが若者を中心に減っていくので、生活にも影響が出てくることが挙げられると思います。 さらに、働き手が減少することで国の生産力も落ち「世界から見た日本の経済力」という観点でも非常に悪い状況になります。他国が経済的に伸長する中、日本だけが取り残されていってしまうかもしれません。
働き方改革とはこのような背景から、総人口が減り、少ない労働人口の中でも効率的に日本の経済を回す方法として法制化と環境整備が進められております。

長時間労働と過労死問題

かつての日本には、労働者が企業のためにすべてを犠牲にして労働することが美徳とされてきた企業文化があります。その最たる例が依然として改善されない長時間労働の常態化ですが、日本における長時間就労者の割合は世界的に見ても特に際立っていることが分かります。
長時間労働 に起因する 過労死 は、近年、件数としては減少傾向にあります。しかし、その数は依然として少なくありません。働き方改革を通じて、企業における長時間労働の是正、働く人が健康で活躍できる就労環境の整備が目指されています。

生産性の向上

労働生産性とは、労働者1人あたりが生み出す成果、あるいは労働者が1時間で生み出す成果の指標です。労働者がどれだけ効率的に成果を生み出したかを表す数値である労働生産性は、国の経済成長に寄与すると言われています。働き手の減少が不可避とされる中、労働者1人あたりの生産性を高めることで、少ない人員でも成果を出していく必要があります。

働き方改革関連法の課題と問題点

働き方改革関連法が施行されると企業に対応義務が発生します。では単純に法律を守ればよいかというと、現場では様々な課題や問題点が出てきます。

長時間労働を是正するにあたっての課題と問題点

もし、何の対策も無しに時間外労働の上限規制を適用したとしたらどうなるでしょうか。普段から長時間労働が常態化している企業であれば、これまでの仕事がまわらなくなってしまうでしょう。
そのため、仕事量を減らすか、人員増強するかを迫られます。これでは、途端に経営が苦しくなってしまいます。長時間労働を是正していくためには、労働生産性の向上を意識することが必要です。

労働生産性とは、時間当たり、どの程度の成果を生み出したのかを表す指標のことです。労働生産性の向上には、仕事の仕組みを最適化する必要があります。つまり、仕事をどのように進めて、どのような結果を生むことが最適であるかを常に考えながら仕事をするということです。
そのためには、本当に必要な業務であるか、今の方法が最適なのかを柔軟に考え直すことが重要です。無駄を省き、業務を効率良くすることで、長時間労働の是正が実現されます。

有給休暇の取得の義務化の課題と問題点

従業員が年間5日以上有給休暇を取得できるようにしなかった場合は、会社の責任となり罰則が科せられます。 しかし、無策に有給休暇の取得を推進すれば、正常な人員配置を維持できなくなり業務に支障をきたす恐れがあります。そこで、一般的な対応として有効なのが、有給休暇の計画的付与や有給奨励日の設定です。
特定の時期に有給休暇を取得することを予定することが労働生産性向上への取り組みを加速させます。労働者にとっても、先の長時間労働の是正をすることができれば、この有給休暇も取得しやすくなります。

まとめ

企業が労働生産性の向上を意識した働き方改革へ取り組むことで、労働者にとって働きやすい環境が実現し、企業にとっても事業活動に必要な労働コストが最小化されることで生じる収益性の向上が実現します。働き方改革は企業と労働者双方に利益を生み出す取り組みである必要があります。 今後の事業の成長や発展に向けた道筋を見つけることを目的として働き方改革に取り組むことが求められます。