2020/01/22

高齢者採用の現状

高齢者採用の現状

高齢者採用の現状

定年延長などの議論から高齢者採用などの話題が上がることがよくありますが、現状はどうなっているのでしょうか。

高年齢者雇用のメリットとデメリット

高齢者を採用することによるメリットとデメリットについて見てみます。高齢者の場合経験が豊富だったりする場合がある一方、体力面などに問題を抱えている事が多いですがそれ以外の面ではどうなのでしょうか

メリット

経験・スキル・ノウハウ・人脈が活用できる

高年齢者は今まで働いて来た経験やスキルに基づくノウハウを持っており、同業種からの雇用や継続雇用をする場合、そのノウハウを活用することが可能です。 当然、長い期間働いてきた会社での培った人脈も利用することができれば、ビジネスが発展し、良い循環をもたらす可能性があります。

若手社員の手本になる

高年齢者の多くは体力的には若手に劣るものの、働く意欲が高い人が多いです。その高年齢者が意欲的に働く姿を見る従業員はモチベーションが向上し、社内が活性化すると言われています。
さらに、礼儀正しく勤務態度が良好な方の場合、他の従業員の手本となります。

国からの支援・補助・優遇措置が受けられる

企業は高年齢者雇用のための環境整備や雇用することで、「65歳超雇用推進助成金」など、国や行政から助成金や補助金が支給されます。

デメリット

若手の活躍できる機会が減ってしまう

高年齢者を雇用する場合、若手の成長が遅れてしまう可能性や活躍できる機会が減る事が考えられます。
例えば、若手が自分で考え試行錯誤し、成長の糧となる失敗をしようとしても、年長者の一声により失敗することができず、何が改善されたのか把握することができない可能性があります。今までの役職を引きずらないポジションを用意するなどして、全従業員が育つ環境を作ることが重要です。

組織や部署のマネジメント機能の低下

上記と同じようなことが言えますが、継続での再雇用制度を利用した場合、部下だった者が上司になることも十分に考えられます。
過去に部長だった人が再雇用制度により一般社員として再度雇用され、もともと部下だった人の下で働くとなると、お互いに様々な考え方や背景・方針があるため、言うことを聞かないこともあるかと思います。これでは仕事がやりづらく、組織としてのマネジメント機能が低下する恐れがあります。

再就職が難しい高齢者の現状

とはいえ働きたいと考えていても、実際には働く場を与えられない高齢者は少なくありません。 働く意欲はあるのに働いていないと回答した高齢者は20.8%、そのうえで、調査では応募しても採用されなかった理由を調査したところ、人事責任者が高齢者雇用に消極的だったが最も多く、職場全体に高齢者雇用に消極的な雰囲気があった、自分の専門的な能力・スキルが評価されなかったと続きます。 年齢や専門性のミスマッチを指摘する声もありますが、求人では年齢制限なしとしながらも、実態は高齢という理由だけで、面接さえ受けられなかったという事が多くあります。

同一労働でも賃金は大幅削減

また、定年後の雇用の際には、定年前と同様の仕事を継続するケースが多いにもかかわらず、賃金は大幅に削減されるケースが多く、これは政府が推進している“同一労働同一賃金”に明らかに反しているものとなっています。

まとめ

高齢者の再雇用にはまだ問題点が多く、現実問題採用があまり進んでおりません。定年延長の議論もある中早急に解決する必要があります