2019/01/09

外国人労働者活用のポイント

外国人労働者活用のポイント

外国人労働者を受け入れる際にまず確認すること

在留カードの内容確認

外国人労働者を受け入れるとなった場合、「就労ができる在留資格」を取得していることが大前提となります。在留期間がいつまでかを確認し、雇用期間と照らし合わせることも必要です。 もし、この工程を踏まずに、就労ができない外国人を雇用した場合は、不法労働助長罪の対象となり、雇用している企業も罰則の対象となります。
また、外国人労働者を受け入れた場合、ハローワークに必ず届出をしなければなりません。もし届出をしなかったり、虚偽の申告をした場合は、刑罰の対象となります。届出は外国人労働者が離職した場合も必要となります。 また、きちんと届出をして外国人労働者を受け入れた場合、日本人労働者と同様に、厚生労働省の助成金を受けられるメリットもあります。

受け入れ体制整備

会社の求める業務における能力基準や日本語力を明確化する

これは、外国人を採用する段階で最も重要になってくる要素です。 特に日本語能力に関しては、周囲とのコミュニーケーションが取れる程度の日本語力でいいのか、それとも商談等の場できちんと交渉できる程度の日本語能力まで求めるのかで、採用に掛かる労力が大きく変わってくる可能性があります。 また、日本語能力の見極めをおろそかにして採用してしまうと、もし、配置された仕事に適性がないと判断せれた場合であっても、配置転換するにも適所が見つからず結局は解雇するしかないという結果にもなりかねません。 こういったことからも、採用後揉めないために、語学力を含めた能力をどの程度まで求めるのかという基準をしっかり明確に作っておくことは不可欠なわけです。

法律上の必須事項

労災事故予防のために、雇入れ時に安全衛生教育を実施することが法律で義務化されています。 ただ、外国人労働者に対しては、教育をしても理解度がどれくらいあるのかということが懸念されます。 本人が理解できる言語での教材、レジュメで教育してあげれるような体制を作る場合があります。 大事なことは会社が理解される努力を可能な限り行い、本人からも理解している旨のフィードバックがあることです。 これは、安全衛生教育だけに限らず、業務のマニュアルも本人がわかる言語、もしくはイラスト対応してあげるなどのシステムを構築してあげることが大切です。また、これは雇入れ時の労働条件通知にも同じことが言えます。

労基法15条で従業員を雇入れた際は、書面による労働条件の通知が事業主に義務付けられています。 法律では特に“本人の母国語で”というところまでは義務付けられてはいませんが、ここは今後のトラブル発生の予防のために、本人の母国語で明示する努力はしておいた方がよいと思います。労働条件の要になってくるような部分や、服務規律などで、どうしても遵守して欲しい項目等からプライオリティーをつけて対応する等していく必要はがあります。

制度の有効活用

自治体によっては外国人労働者に向けた制度、雇用に関する制度が検討、運用されております。外国人労働者の雇用を行う際に利用することによってより優秀な人材を採用することができます。

高度人材ポイント制

高度人材ポイント制は、国内で働く研究者や経営者のうち、高度人材と認められた外国人に在留期間や永住許可要件の緩和などの優遇措置を与える制度です。 優秀な外国人の研究者や経営者を雇用する際には、高度人材ポイント制による優遇装置が受けられる可能性があります。

対象となる活動分野

  • 高度学術研究活動「高度専門職1号(イ)」は、「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う研究、研究の指導又は教育をする活動」とされ、大学などにおける研究・教育活動や民間企業における研究活動が認められます。
  • 高度専門・技術活動「高度専門職1号(ロ)」は、「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う自然科学又は人文科学の分野に属する知識又は技術を要する業務に従事する活動」とされ、企業で技術者として製品開発業務やセールス・プロモーションなどの企画立案業務を行う活動が認められます。
  • 高度経営・管理活動「高度専門職1号(ハ)」は、「本邦の公私の機関において事業の経営を行い又は管理に従事する活動」が認められます。

出入国管理上の優遇措置

  • 複合的な在留活動の許容
  • 在留期間「5年」の付与
  • 在留歴に係る永住許可要件の緩和
  • 配偶者の就労
  • 一定の条件の下での親の帯同
  • 一定の条件の下での家事使用人の帯同
  • 入国・在留手続きの優先処理

認定要件

認定要件は、ポイント合計が70点を超えることに加えて、高度専門・技術分野及び高度経営・管理部門においては年収300万円以上であることです。 年収が300万円に達しない場合は、ポイントの合計が70点を超えていたとしても高度人材と認定されません。