2018/11/20

外国人労働者の受け入れ

外国人労働者の受け入れ

外国人労働者の受け入れ

生産年齢人口が、2060年に約50%まで落ち込むという試算が出ており、人口の半分を占める高齢者・子どもたちを、残りの人口が働いて支えなければなりません。しかし、それでも国際的競争では足りないとの事で、外国人労働者の受け入れの検討は以前から行われておりました。

特定技能

政府は「特定技能」就労ビザを新設し、これまで外国人が就労できなかった分野での就労が可能にしました。具体的には、生産性向上や国内人材の確保のための取り組み(女性・高齢者の就業促進、人手不足を踏まえた処遇の改善)を行っても、足りないために外国人材の受入れが必要と認められる5職種が対象です

  • ・農業
  • ・介護
  • ・建設
  • ・造船
  • ・観光

一定レベルの日本語能力に加え、業種別に設定された知識・技能条件を満たす外国人が上記職種に従事する場合、最長5年の就労が認められます。

外国人材受入れの環境整備

外国人材の労働者としての受入れ法制の検討を行っていき。施策として以下について対応し、2020年までに高度外国人材の認定10,000人を目指していく方針です。

     
  • ・外国人材受入れの在り方の検討
  • ・外国人のための生活・就労環境整備
  • ・高度外国人材の更なる活用
  • ・国家戦略特区の活用
  • ・外国人介護福祉士の活用

日本人の雇用への影響、産業構造への影響、教育、社会保障等の社会的コスト、治安などを考慮して検討されていますが、慎重論が多くあります。

問題点

技能実習制度問題

技能実習や研修の在留資格で日本に在留する外国人が報酬を伴う技能実習、或いは研修を行う制度で開発途上国への技術移転を目的として行われていましたが、 劣悪な労働環境に置かれるなど人権上の問題が以前から指摘されていて、企業が使い捨ての人材が欲しいがままに悪用している状態が続いております。

業種別に見ると、飲食店や宿泊業、製造業の割合が多くなっており、技能実習生のほとんど全員が月収18万円以下で働いている状態です。厚生労働省の2015年の調査によると、実習実施機関約5,000のうち、約7割以上で労働基準関係法令上の違反が認められたといいます。受け入れ側の勝手な都合で過酷な労働環境を強制するケースが多く、技能実習生に対して不当な賃金設定を行い国際問題となってます。

業務上のトラブルと治安の悪化

異なる常識の中で生きてきた人々を既存のコミュニティの中に受け入れることでもあります。おそらく、単純に「働き手が増えた」と両手離しで喜べない現実が待っているものと思われます。言葉が通じず情報の共有が出来ないなどで生産性が落ちたり、欧米の移民問題などでも治安が悪化したケースが多く、一部政府関係省庁間でも治安の悪化を懸念する声があります。

日本人の就業機会の消失

企業が外国人を雇用すれば低コストで済むという認識で外国人労働者の受け入れを推進しているため、就職氷河期世代など受け入れられるはずの人材を無視して外国人労働者を受け入れる動きが強く、就業機会の消失につながるという懸念があります。

今後の動向に注視

環境を整えた企業でない限り受け入れは困難かと思われます。また、 欧米の移民問題もあり慎重論や反対論が多くあり、今後の動向に注視する必要があります。受け入れの動きはさらに拡大する見込みで状況が複雑化していくことが予想されます。 とは言え治安悪化などに関しては、職場環境の改善を図っていくことが、結果的に犯罪の抑止になる可能性が高いといえますので、外国人労働者から不当に搾取するような労働環境は即座に是正されるべきです。