国会議員の育休

国会議員の育休

国会議員の育休

小泉環境大臣が、初めて環境大臣という要職に就く議員が育休を取得したことで大きな話題となっていますが、そもそも国会議員などの育休制度とはどのようなものなのでしょうか

国会議員の育休取得

国会議員に育休の規定はありませんが、産休については、衆議院、参議院ともに規則で定められています。

  • 衆議院規則:第185条2:議員が出産のため議院に出席できないときは、日数を定めて、あらかじめ議長に欠席届を提出することができる。
  • 参議院規則:第187条:公務、疾病、出産その他一時的な事故によつて議院に出席することができないときは、その理由を記した欠席届書を議長に提出しなければならない。

もともと、両院には産休に関する規則はありませんでしたが、参議院では2000年になって改正されました。きっかけとなったのは、出産前日まで議員活動をしていた自民党の橋本聖子参議院議員が、参院議長に出産による本会議欠席届を提出し、受理されたことでした。これを機に参院規則が改正され、産休が認められることになりました。

国会議員の育休に対する批判

小泉大臣の育休取得には肯定的な意見がある一方、政治家の仕事は育児休暇を取ることではなく、国民が安心して育児休暇を取得できるための法を整えることではないのかという批判が相当数あります。
政治家が育児のために仕事を休むことを否定するわけではありませんが、政治家自身が育児休暇を声高に宣言することで民間の育休取得に直接つながるわけではありません。実際問題やって欲しいのはパフォーマンスではなく、子育て世代が育児休暇の間ぐらい、休んでも経済的に不安がないよう、法や制度を整えることです。

これまで産休を取得した国会議員

産休としての事例は国会議員として憲政史上初めての産休取得は、1949年の園田天光光氏です。これまでの間に9人が産休を取得しています。

  • 2000年6月 橋本聖子参院議員(比例区、自民党、当選4回)
  • 2003年11月 有村治子参院議員(比例区、自民党、当選3回)
  • 2007年12月 小渕優子衆院議員(群馬5区、自民党、当選7回)
  • 2011年1月 野田聖子衆院議員(岐阜1区、自民党、当選9回)
  • 2014年10月 吉川ゆうみ参院議員(三重選挙区、自民党、当選2回)
  • 2019年10月 鈴木貴子衆院議員(比例北海道、自民党、当選3回)

衆参両院の規則改正以降、衆参両院それぞれの議員が産休を取得していることが分かります。

地方議員の育休

全国の男性地方議員で、2019年までの15年間に妻が出産した627人のうち、出産に伴う休みを取得した人は23人と、約4%にとどまっている事が豊島区の永野裕子区議の調査で判明しております。地方議員の場合国会議員と比べ拘束時間が短いという事情もありますが、地方の無理解なども要因として考えられます。

まとめ

小泉進次郎環境大臣の育休取得により、男性の「育休」についての議論や実際の取得の動きが進んでいくのかもしれません。永田町での育休だけでなく、社会全体の今後の動きに引き続き注視しましょう。

公務員の副業解禁

公務員の副業解禁

公務員の副業解禁

働き方改革において民間企業では副業解禁の動きがありますが、公務員はどのような動きがあるでしょうか

現時点では公務員の副業は完全に解禁されていない

働き方改革によって、政府は副業・兼業を普及させようとしていますが、公務員の副業については副収入を得ることを目的としたものは原則として禁止されています。
まず、国家公務員については、国家公務員法によって原則として禁止されており、職員の所轄長などの許可を得れば不可能ではありませんが、実質的には難しい状況です。 地方公務員についても地方公務員法において同様の制限があります。 しかし、地方公務員、国家公務員のそれぞれに副業解禁に向けた動きはあります。

地方公務員

他の自治体に先駆けて、2017年4月には、兵庫県の神戸市が、NPO法人など公益性の高い地域貢献活動に限り副業を認めており、2017年8月には、奈良県の生駒市が、公共性のある組織での副業を認めています。公益性や地域貢献などが前提として、副業解禁の流れを見せ始めていると言えます。

国家公務員

政府は2018年6月に未来投資戦略2018というものを閣議決定しています。 その中では、多様で柔軟なワークスタイルの促進として、国家公務員については、公益的活動等を行うための兼業に関し、円滑な制度運用を図るための環境整備を進めるとされており、地方公務員の動きと同様に、国家公務員についても公益的活動などを目的とした兼業を認める方向で動いています。

公益的活動等の定義

この公益的な活動とは、具体的にどういった活動を指すのでしょうか。
厚生労働省が示している地域における公益的な取組についての規定があります。 これによると、地域における公益的な取組は次の3つの条件が必要です。

  • 社会福祉事業又は公益事業を行うに当たって提供される「福祉サービス」であること
  • 日常生活又は社会生活上の支援を必要とする者」に対する福祉サービスであること
  • 無料又は低額な料金で提供されること

これは、平成28年改正社会福祉法において、社会福祉法人の本来の役割を明確にすることを目的に示されている規定ですので、国家公務員の副業制限容認における、公益的な活動にそのまま当てはまるわけではありませんが、この規定やそもそも国家公務員の副業制限が緩和されるに至った背景などを踏まえると、公益的活動等は、営利を目的とした民間企業や自営での副業・兼業ではなく、NPOやNGOなどの公益的な活動を行う団体での活動に限定されることになると思われます。

まとめ

国家公務員と地方公務員それぞれの副業解禁の動きで共通しているのは、公益的な活動に限定して、副業が容認され始めているということです。 公務員にも色々な方がいて、中には生活の安定を求めて公務員になったという方もいます。
しかし国民や市民の役に立ちたいという思いで、公務員として働いている方が大多数かと思われます。 そういった方にとっては、公務員としての仕事以外にも、人々の役に立つような活動することで、報酬が得られたり、スキルや人脈を培えることで地域社会に貢献し、互いのメリットとなるのではないでしょうか

働き方改革と副業

働き方改革と副業

働き方改革と副業

働き方改革実行計画の中で労働者の健康確保に留意しつつ、 原則副業・兼業を認める方向で、副業・ 兼業を普及促進との方針が出されました。副業解禁はいつからで、どんな企業が取り組みを行なっているのでしょう。

働き方改革の中の副業

基本的に副業は解禁を奨励

政府は働き方改革についての具体的な内容を働き方改革実行計画として定め、この中で副業については、第5章の柔軟な働き方がしやすい環境整備の部分ではっきりと記述されています。
テレワークは時間や空間の制約にとらわれることなく働くことができるため、子育て、介護と仕事の両立の手段となり、多様な人材の能力発揮が可能となる。副業や兼業は新たな技術の開発、オープンイノベーションや起業の手段、第2の人生の準備として有効となっており、副業に対し非常に高い評価をしていることが分かります。
ただし、この文には続きがあります。そこでは、他方、これらの普及が長時間労働を招いては本末転倒。労働時間管理をどうしていくかも整理することが必要。ガイドラインの制定など実効性のある政策手段を講じて、普及を加速とあり、本業と副業を合計した場合の懸念についても盛り込まれています。 政府は副業によるリスクも把握しつつも原則として解禁を奨励しており、副業の効果に対して非常に期待を寄せていることがわかります。

従来の多くの企業は否定的な見方

なぜ、企業は副業を禁じるのでしょうか。大きく2つの理由が考えられます。1つは競合他社で副業することによる情報流出を防ぐためです。経験があるということで競合他社に勤務する可能性はゼロとは言えません。
もう1つは本業に支障が出ることを恐れるためです なお、前述の働き方改革実行計画ではこれまでの裁判例や学説の議論を参考に、就業規則等において本業への労務提供や事業運営、会社の信用・評価に支障が生じる場合等以外は合理的な理由なく副業・兼業を制限できないことをルールとして明確化とのガイドラインが示されています。原則としては副業解禁ですが、本業への支障がある場合は例外とするという意味です。

好意的な見方をする企業

本業にも良い影響が出るとの見方がある

上記のように情報漏えいや本業への支障、長時間労働などのデメリットへの対策が必要なのに、それでも副業を解禁するメリットはどこにあるのでしょうか。仕事に直結する点として、副業を通してスキルアップすることができます。これは働き方改革のポイントの1つである、労働生産性の向上に寄与します。
本業に関係のある副業であれば効果はもちろん期待できますが、全く関係のない業種でも本業と結び付けられる可能性がありますので、必ずしも本業と関係なくも企業にとってプラスになる可能性は十分にあります。

労働者本人への影響

労働者本人としては自分の進む道を自ら選んでいるわけですから、満足度も高いはずです。もし副業の解禁によりストレスをため込まないようになり、メンタルヘルスに役立つなら、休職や離職を未然に防ぐ効果も期待できるかもしれません。
働き方改革実行計画には副業・兼業を希望する方は、近年増加している一方で、これを認める企業は少ない。労働者の健康確保に留意しつつ、原則副業・兼業を認める方向で、副業・兼業を普及促進との文言があります。

副業の解禁による、働き方改革の効果

多様な働き方のできる社会に繋がる

副業を認めるということは、会社にとっても慎重な判断が求められるところです。ということは副業が許される会社というのは、おそらく全体的に柔軟な働き方を認めている職場になっているはずではないでしょうか。
そのような会社が増えれば、より多くの人が労働市場に参入できるようになるでしょう。時間も場所も多様な労働が可能になれば、ワークライフバランスもとりやすくなります。また、いろんな事情を抱えた人々が可能な範囲で労働し、家庭での責任を果たし、生活の質の向上を目指せるようになることが期待されます。これは働き方改革のもう一つのポイント、労働力人口の増加につながることでしょう。

パラレルキャリアの構築

副業に関する語句として押さえておきたいものにパラレルキャリアというものがあります。これはあのピーター・ドラッカーが提唱した概念で、本業を持ちながら第二のキャリアを築くことを意味します。
これを構築するためには、何らかの形で本業に結び付けることを意識した社外活動を選ぶ必要があります。もちろん、すべての副業がパラレルキャリアにつながるわけではありませんが、本業に結びつくような副業をあえて選択することでスキルアップできれば、一層生産性の高い労働者になることができます。これは働き方改革の目的に合致するものです。

まとめ

副業を単なる収入アップの手段の他に、知識を深め、スキルを磨くチャンスでもあります。そのためには、本業と相性のいい副業というものを探す必要があります。 ただ、働き方改革実行計画で副業・兼業を希望する方は、近年増加している一方で、これを認める企業は少ない。労働者の健康確保に留意しつつ、原則副業・兼業を認める方向で、副業・兼業を普及促進と定められているように、全国的な副業解禁の流れが止まることはなさそうです。

男性育休取得の課題

男性育休取得の課題

男性育休取得の課題

小泉環境大臣が、初めて環境大臣という要職に就く議員が育休を取得したことで大きな話題となっていますが、男性の育休取得率はいまだ少数に留まっております。

男性従業員の育児休業の取得率

企業に勤める男性従業員には、育児休業を取得する権利があります。しかし、実際にはあまり取得できておらず、厚生労働省の平成30年度雇用均等基本調査によると、育児休業を取得している割合は、女性が82.2%なのに対して男性は6.16%となっております。
しかし、男性の育児休業取得率は少しずつですが上昇しています。そして企業によっては、男性の育児休業の取得率が大幅に改善しているところもあり、男性の育児休業を促進する活動も少しずつ進められています。

育休が取りづらい原因

職場に迷惑をかける

職場で自分が抜けると他のメンバーに迷惑がかかるため、育休が取りづらいことがあります。抱えている仕事が大きく、責任感のある仕事であればあるほど言い出しにくい風潮があります。

仕事に復帰できるか不安

たとえ育休を取得できたとしても、休み明けに現場に復帰できるのか不安になる人も多いです。 自分が抜けている間は、別のメンバーが業務を担当していたり、新しく人員補充をする可能性があります。そのため自分が仕事復帰したときに、職場に居場所があるのかと心配になるようです。
また、今後の昇進に響くのではないかという懸念もあります。 本来、育休を取得したからといって、企業からの評価が変わるものではありません。しかし、無理やり育休を取ることでチームワークを乱すようなことがあると、評価に関係することがあります。

収入が減少する

育休を取得すると、収入が減少することに不安を感じて、なかなか踏み出せないケースもあります。
子どもが生まれる前から、貯金をしていたり生活費を見直したりと事前にしっかりとした計画を立てていれば、育休による収入面の不安も減ります。 また、育児休業中には育児休業給付金を受給することができます。

男性に育休を取得してもらうメリット

男性に育休を取得してもらうことで、企業のイメージアップにつながります。育休を取得している男性の割合は少なく、そんな中、男性も育休が取れる企業は世間的にも好感がもてますし、社内で働いている従業員にも育休を取得できることが分かれば今後の不安を軽減させることが可能です。

男性が育休を取得しやすくするためには

男性が育休を取得しやすくするためには、企業側からアプローチをかける必要があります。 まずは男性の育休取得について社内で周知する機会を設けましょう。育休という名前自体は知っている従業員が多くても、その実態について理解している従業員は少ないです。 育休を取得しようと思っていても、給料の減少や職場の人間関係などを気にして、なかなか取得に踏み切れない男性もいるでしょう。 そういった男性従業員のために、育休の取得から職場に復帰する流れについて説明する場を設けます。また育休時の給料、または給付金や復帰後の待遇など、特に不安に思っている部分の説明も重要です。

復帰した男性従業員への対応

復帰前と復帰後では、社内の環境の変化や本人のブランクにより状況が変わっており、育休から復帰した男性従業員と企業側の意識のずれに気を付ける必要があります。 例えば、復帰した男性従業員が以前と同じような業務を求めているにも関わらず、企業側がブランクを考慮してあまり仕事を与えないといった意識のずれです。しかし、企業側からすると以前のように働けるか不安な部分もあり、以前とは状況が違えば仕事を振りにくい場合もあるでしょう。 逆に、復帰後も育児などで残業が難しい男性従業員に対して、企業側は時間外労働も含めて以前のように働いて欲しいと思っているケースも見受けられますが、育休明けの従業員には無理なく育児と仕事を両立するための権利があるため、無理をいって時間外労働をさせないように注意しましょう。

助成金制度

育児休業の取得率アップのため、厚生労働省は企業に対してさまざまな助成金制度を用意しています。

両立支援等助成金(出生時両立支援コース)

男性労働者が連続した育児休業を中小企業なら5日以上、中小企業以外は14日以上取得した際に受け取ることができる助成金です。また、子どもの出生後8週間以内に育児休業を開始する必要があります。 1人目の支給額は、中小企業が57万円、中小企業以外が28.5万円です。2人目以降は、休業取得日数に応じて支給額が変わります。

まとめ

子どもが生まれてまもない時期はもちろん、第一子誕生では手探り状態、第二子以降も第一子たちのケアと新生児のお世話で並行して行うため育休とはいえ休んではいられないのが母親です。さらには保活に復職準備と、育休中の母親の負担は心身ともに大変重いものです。
男性が育児休暇を取得すると出世の道が絶たれる、社内で上層部から嫌がらせを受ける、そもそも育休を取りたいなどと言い出せる雰囲気ではない…。企業によってはさまざまな困難が待ち受けているのも事実ですが、そのような風潮は改めなくてはなりません。

働き方改革と育休

働き方改革と育休

働き方改革と育休

小泉環境大臣が、初めて環境大臣という要職に就く議員が育休を取得したことで大きな話題となっていますが、育休とはそもそもどのような制度なのか、なぜ取得が進まないかを解説します。

育休とは

育休とは育児休暇や育児休業のことを指し、子を養育する労働者が法律や就業規則に基づいて取得できる制度になります。

育児休暇と育児休業の違い

育児休暇と育児休業を区別せずに使っている方も多いと思いますが、この2つには、法律で定められているかいないかという違いがあります。

育児休業

育児休業とは、育児・介護休業法によって定められた休業制度のことです。法律で定められているので、1歳未満の子どもを育てているなど、条件を満たすことで取得でき、働く人が持つ権利の一つともいえます。条件を満たせば、正社員だけでなく、雇用期間が定められている方も取得することができます。

育児休暇

育児休暇とは、育児のために休暇を取得すれば、それだけで育児休暇といえるため、広い意味で使われています。例えば、有給休暇を使用して、数日~1週間ほどの休暇を取得するのも育児休暇といえます。規定によって、子どもが3歳になるまで休暇が取得できる会社もあります。

男性の育休

厚生労働省によると、男性の育児休業取得率は2016年度で3%。少しずつ増加しているとはいえ、女性の育休取得率82%と比べるとまだまだです。多くの人が男性の育児休業取得を進めたいのに、なかなか増えないのが現状です。

原因は職場の理解と生活面

職場の理解が足りないが取得できない主な理由となっており、現に子育ては母親の仕事という風潮はいまだに強いです。一方で、育児休業中の家計が不安、復職後の役職が下がりそう、復職後の給与が下がりそうという現実的な課題もあります。

育児休業中の就労

育児休業は「休業」ですので、原則として仕事をすることはできません。しかし例外として、育児休業中の就労について、労使の話し合いにより、子の養育をする必要のない期間に、一時的・臨時的にその事業主の下で就労することはできます。と厚生労働省の育児休業中の就労についてのガイドラインに記載されています。また、就労が月10日(10日を超える場合は80時間)以下であれば、育児休業給付金が支給されます。
恒常的・定期的な就労は「復帰」とみなされ、育児休業給付金は支給されませんが、突発的に発生した事態に対応するため、そのつど事業主と合意のうえ、ほかの者では手当てできない臨時の業務を行う場合(テレワークにより行うものも含む)は、月80時間以下であれば給付金が支給されます。

育休中に利用できる制度

社会保険料の免除

育児休業中は、社会保険料(厚生年金保険料と健康保険料)が免除されます。事業主経由で育児休業等取得者申出書を年金機構へ提出する必要があるので、休みに入る前に勤務先の担当者に相談しましょう。

所得税と雇用保険料の免除

育休中に受け取る給料が0円であれば、所得税や雇用保険料も自動的に0円になります。育児休業給付金や出産育児一時金などの給付金は、非課税となります。

住民税の減免措置

所得税と違って、住民税は昨年1年間の給料に応じて課税されているため、育休期間中でも支払う必要があるので注意しましょう。育休前の最後の給料や賞与から一括で引かれる場合や、6月頃に自宅に届く住民税支払い通知書に従って自分で支払う場合があります。
また、自治体によっては前年に比べて収入が大きく減った方に対して、住民税の減免措置を行っているところがあります。申請すれば住民税が減額または免除される可能性がありますので、市区町村の減免制度について、確認してみると良いでしょう。

配偶者控除

育休中は、自分の収入が減ったことを正しく申告することで、配偶者の所得税や住民税が安くなることがあります。なぜなら、1月1日から12月31日までの年収が103万円以下の場合は配偶者控除が、年収201万円以下の場合には、配偶者特別控除が利用できるからです。
この控除を受けるためには、配偶者の勤め先で行われる年末調整時に扶養控除に関する申告書を提出するか、確定申告時に自分で申告をする必要があります。このとき正しく申告するためにも、給与明細などの給料が分かる書類はしっかりと保管しておきましょう。

まとめ

子育てと仕事を両立させるためには、周囲の理解が大切です。復帰後に気持ち良く働ける職場、安心して子どもを預けられる保育所の整備などが必要不可欠になってきます。育児休業への理解が深まり、より良い職場環境づくりのできる企業が増えると少子化の歯止めにもつながります。

介護業界の問題点

介護業界の問題点

介護業界の問題点

介護業界は近年の高齢化に伴い需要が高くなっております。しかし離職率や職場環境などで、何かと問題に上がることが多い業界です。

介護業界の現状

劣悪な労働環境

介護業界は、3K(きつい・汚い・危険)と呼ばれることが多々あります。積極的に保険外サービスを提供している一部の事業所を除き、多くの事業所は介護報酬を主な収入源として運営を行っていおり、そして、利用定員や入所定員など受け入れ可能な人数に制限が設けられている介護サービスの場合、事業所が得られる毎月の介護報酬には事実上の上限が存在します。
介護報酬を主な収入源としている事業所にとってサービスの質、介護者負担、人件費の3要素はトレードオフの関係です。 そのため、業務プロセスを大幅に改善しない限り、手厚いサービスを提供するためには一人あたりの業務量を増やすか、他事業所より低い賃金で多くの介護職員を雇用して対応するしかありません。

社会的評価の低い?

核家族化や平均寿命の伸長による介護期間の長期化など時代の変化に伴い、身内への介護が負担となるケースが急速に増加したため、高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みとして介護保険が創設されました。 家族の代理というイメージが根強く残る介護職は、2000年4月の介護保険制度実施から20年近く経つ今でもまだプロフェッショナルとしての地位を確立することができていません。介護業界全体の質を高め、介護は誰でもできる仕事というレッテルを剥がさない限り、社会的地位の向上を図ることはできないのです。

深刻な人手不足

介護業界における人手不足は想像以上に深刻なもので、現役介護職員の90%が今の職場で人材不足を感じているといいます。 他業種に比べて給与が低く、心身ともに負担の大きい介護業界で就職希望者を集めることは容易ではありません。そのため、多くの事業所が資格や経験を求人条件から外し、一日でも早く人員を充足できるように努めています。
無資格者や未経験者を採用することは決して悪いことではありませんが、安易な求人条件の緩和や無理な採用が、サービスの品質低下や既存従業員の負担増加、職場の雰囲気の悪化、事故や虐待の増加などのリスクを高めてしまいます。

拡大し続ける需給ギャップ

介護職員の増加が要介護者や必要とされるサービス量の増加に追いついておらず。需要と供給のギャップは今後も拡大し続け、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年にはさらなる採用難が訪れると考えられています。

対策と取り組み

サービスの取捨選択を行う

どれだけサービスの充実を図ったとしても、介護保険において過剰とされる部分について介護報酬は発生しないため、職員を増員して対応させることはできません。介護理念に沿ったサービスを優先的に残すことによって、自事業所の魅力を損なうことなく労働時間の大幅な削減を図ることが出来ます。

腰痛予防やメンタルヘルスケアに取り組む

介護職員の離職理由をまとめたランキングで常に上位に入っている心身の不調。その内訳の大部分を占めるのが、腰痛とメンタルヘルス不調です。 介護業務従事者の多くが常日頃からストレスや腰痛を感じているといいます。また、一日に多くの身体介護を提供している職員ほど不調を訴える割合が高く、状態も重度化しているといいます。
身体的な負担を軽減させる最も簡単な方法は、移乗用リフトや寝返り支援ベッド、介護浴槽などの機械を導入することです。しかし、導入コストが大きな負担となる場合には、全職員に腰痛ベルトを配布し、介護側の負担が少ない介護技術の周知徹底を図るだけでも一定の成果を得ることができます。 メンタルヘルスケアでは、ワンオペと呼ばれる環境で働くことが多い職員はストレスや孤独感を特に感じやすいため、十分な面談時間を確保するように心掛けましょう。

まとめ

需要の大幅な増加に伴い、人材不足がより深刻になると予想されます。働き方改革を進め人材確保と環境改善を行い。働きやすい環境を作り出し、高齢者の増加に伴う需要に対応できるようにしましょう。

介護業界の働き方改革

介護業界の働き方改革

介護業界の働き方改革

内閣府が公表した高齢社会白書によると、日本の全人口の27.7%が65歳以上の高齢者となっています。しかも、その割合は年々増加し、2065年になるとおよそ40%に当たる2.6人に1人が高齢者になると予測されています。しかし、介護現場の職員はそれほど増える見込みがないのが現状です。

需要増かつ人手不足

現状、福祉施設の介護職員を中心に3K職場と認識され、きつい、きたない、きけんと言われ、介護職員は、労働条件が厳しく重労働、排泄介助やおむつ交換など、感染症のリスクも高く、腰痛など身体に危険な職業など、いいイメージはあまりなく、ここから先高齢者の増加する一方でやりたがる人が居ないのが現状です。

働き方改革の取り組み

ライフスタイルに合わせた勤務形態

介護の現場で人材不足が続いている理由としては、介護する必要のある高齢者が増えているだけではありません。介護を担当する現場の職員になろうとする人材そのものが不足しているのです。つまりこれは、介護の分野で働くことに魅力を感じる若者が少ないことを意味しています。介護労働安定センターが2017年に調査したところ、介護職を辞めた人の理由のなかに「結婚や出産・育児が重なると難しい」という回答が多くありました。つまり、介護職員として働く人を増やすためには、職員の労働時間や勤務体制への配慮を欠かすことはできません。
たとえば、24時間の介護が必要な現場では、夜勤の仕事は必要不可欠です。しかし、夜勤を行うとどうしても職員の身体にかかる負担は大きくなります。夜勤と日勤を繰り返す不規則な勤務体系をそのままに放っておくと、体調不良を起こして離職してしまうケースがあるのも事実です。貴重な人材を失うばかりか、介護職は激務という風評が広がり、新たな職員を見つけることが難しくなります。そこで、大切なのが職員のライフスタイルを重視した勤務体制を取り入れる取り組みが挙げられます。
また、介護の仕事は人間相手の職場であるがゆえに、残業をしなければいけないケースもありました。例としては帰宅時間になっているにもかかわらず、利用者の対応が終わっていないケースや次の担当者に申し送りができていないケースなどです。しかし、このようなケースは代わりの職員が他にいれば、無理に残業する必要はないといえます。そこで、帰宅時間になっても帰らない職員に対して、上司などが気を利かせて帰宅するように声をかける取り組みをしている事業所も増えてきています。

分業制の導入

介護職員の働き手がなかなか見つからないのは、職員1人当たりの負担が大きいという理由もあります。介護の現場では高齢者の食事、入浴、排せつといった生活を送るうえで欠かせない行為のほとんどのケアを行わなければいけません。そのため、介護職員の精神的、肉体的な消耗はかなりのものがあります。しかも、介護施設は年中無休で稼働しなければならず、もともと人手が足りない職場で働く職員の負担は相当なものがあるでしょう。特に問題視されるのが、本来の介護業務以外の業務をこなさなくてはいけない点です。
介護職員とは本来、利用者の身の回りのケアを行うことが本職のはずです。しかし、施設の状況によっては人手が足りないからという理由で、多くの事務作業やレクリエーション計画などを兼務しています。そこで介護職員の負担を軽減するための方法として始まっているのが業務の明確化に向けた取り組みです。具体的には、送迎や清掃といった介護職員でなくとも対応できるサービスについては、専門業者へ依頼することが挙げられます。
重要なポイントは、専門的な知識が必要な仕事とそうでない仕事をきちんと整理しておくことです。介護事業のサービスは大きく分けて入浴や排せつの介助などの専門知識が必要な仕事と、送迎や清掃といった専門知識がなくてもできる仕事の2つがあります。分業制を採用するときは専門知識がなくてもできる単純な仕事を外部へ委託するようにしましょう。

外国人人材

外国人介護職の確保に向けて、改正入国管理法が施行され、新たな在留資格「特定技能」の中に介護が追加されました。受け入れを希望する介護事業者からの申請が始まっており、順次現場で外国人介護職の受け入れが開始します。 ただし、外国人にとって介護施設が働きやすい環境でなければ、現場を支え、より良い介護サービスを維持することは困難です。

まとめ

これから高齢者の増加に伴い介護に関しては需要が大幅に増加すると見込まれます。働き方改革を進め人材確保と環境改善が急務となっております。働きやすい環境を作り出し、人材の確保に努めることが重要となります。

外国人技能実習生の受け入れできる職種

技能実習生受け入れの流れ

外国人技能実習生の受け入れできる職種

実習生はどの様な職種に就くことができるのでしょうか、また職種によって受け入れ可能な期間が異なる場合もあり確認が必要です。

移行対象職種とは

技能実習制度は主に3段階を想定し、入国1年目は技術を覚え、3年目までに技能を習熟、5年目には完璧にしているような形です。これを在留資格で区別しており、技能実習生は全員技能実習1号の在留資格を得ます。1年目に基礎的な技術を得たかどうかをテストしますが、このとき合格すると、技能実習2号に移行し、在留期間が更新します。そして、実技試験で合格すれば技能実習3号に移行され、5年間日本にいられます。このように技能実習2号、3号と移行できる職種を、移行対象職種と言います。
技能実習2号への移行対象はすべての職種となっており、3年間はどの職種に携わる人でも実績を残せれば、日本に滞在できます。技能実習3号に関しては一部の職種で移行が認められておらず、最大3年しかいられない技能実習生もいるなど不公平感があるシステムです。移行する際の審査があり、それらをちゃんとこなせるのか、しっかりとチェックされます。技能実習2号の1年目、2年目でもチェックを受けるため、明らかに技術がない人は帰国を余儀なくされる厳しいものです。

技能実習生の職種変更

人によっては途中で、事情が変わったり目指しているものに変化が見られたりすることがありますが、職種の途中変更はできません。その理由として、技能実習生を受け入れる際に実習指導計画の認定を受けなければならず、技能実習を行ったらそれを帳簿にまとめ、保管する義務があります。緻密な計画を立てることになるため、あっさり変更させるようなことは不可能です。
一方で、その職種、作業に関連することを実習に加えることは可能です。また安全作業、周辺作業も計画の中に入れなければならず、細かくそのあたりを定めることになります。1度決めた職種は二度と変更できないため、例えば、現状この職種が足りないので技能実習生を入れたとしても、入ってみたら別の職種の方が足りなかったという場合に、企業側はすぐに対応できません。

技能実習生を受け入れられる職種

農業関係

農業関係は2つの職種があり、主に田畑を耕して栽培を行う耕種農業、動物を育てて畜産物を得る畜産農業の2つです。この中で、耕種農業に該当する作業が、ビニールハウスなどを使って栽培する施設園芸、畑作・野菜、果樹の3作業で、畜産農業は養豚、養鶏、酪農の3作業となります。

漁業関係

漁業関係に関しても2つの職種となっており、漁船漁業と養殖業に分かれます。養殖業に関してはホタテガイ・マガキ養殖作業の1作業のみですが、漁船漁業に関しては8つの作業があります。かつお一本釣り漁業や延縄漁業、イカ釣り漁業の他、まき網、曳網、刺し網、定置網、かに・えびかごのラインナップです。単に漁業でワンセットなのではなく、細かな作業、漁によって細分化されています。

建設関係

関係別に分けて最も多い職種が建設関係の22職種です。建築大工やタイル張り、左官に配管、内装仕上げ、サッシ、防水など多種にわたります。建設関係は全体的に人手不足である一方、発展途上国では非常に需要がある分野だけに、建設団体の陳情もしやすいこともあって、職種は多いです。ただ、作業数に関しては1職種1作業が大半を占めており、作業数そのものはトータルで33作業にとどまっています。

食品製造関係

食品製造関係は、こちらも細分化されており、11職種となります。主に加工業が中心で、水産加工は加熱性と非加熱性がそれぞれ職種として存在します。鳥の処理加工、牛豚食肉処理加工といったものやパンや惣菜の製造、医療・福祉施設給食製造も技能実習制度で認められている状況です。建設関係同様、1職種1作業が多く、水産加工において作業が細分化されているだけで、トータルで16作業です。

繊維・衣服関係

13職種が存在します。日本の昔からの産業である紡績や織布の運転、染色を始め、婦人子供服、紳士服、下着類の各種製造や寝具やカーペット、自動車の座席シートなども対象です。作業数は22作業を数え、紡績運転と織布運転で7つの作業があります。

機械・金属関係

全体で15職種存在し、鋳造や機械加工、工場板金、メッキなどの定番のものから、電子機器組み立てや電気機器組み立て、プリント配線板など、日本の工業を根本から支えるような職種まで勢ぞろいです。作業数は29作業です。

まとめ

技能実習制度によって、産業は成り立っているとは言われますが、基本的に景気に左右されやすく、現状は景気がいいために増えているものの、今後どうなるかはわかりません。ただ農業のように、生産者の高齢化が加速する職種では増え続けることが予想されたり、不法就労者を排除する動きが強まる建設関係ではちゃんと在留資格を持つ外国人を働かせるようにしたりするため、構造的に一気に減少する可能性は低いでしょう。
受け入れ企業は技能実習生の枠の上限を拡大するなど、様々な改善も行われており、悪質な企業を減らしつつ、ちゃんと制度を利用する企業を優遇する動きもあります。

技能実習生受け入れの流れ

技能実習生受け入れの流れ

技能実習生受け入れの流れ

何かと話題になる技能実習生制度、実習生はいったいどの様な形で入って来るのでしょうか。

外国人技能実習生の受け入れ

技能実習生を受け入れる方法には、二種類あり、その中でも団体監理型が一般的な受入れ方法となります。

企業単独型

比較的大規模の企業において、海外にある支社や合弁企業、取引先の従業員を日本の本社・支社・工場に受入れ、技能実習を実施するという方法です。この方法は、海外の所属企業の範囲が細かく定められていることと、実習実施者である日本企業が一社ですべてを負担しなければならないため、技能実習制度全体に占める割合は極少数となっております。

団体監理型

技能実習制度全体の約95%は、この団体監理型です。監理団体とは、事業協同組合や商工会等の営利を目的としない団体のことです。この監理団体が技能実習生を受入れ、加盟している企業等が技能実習を実施することになります。加盟企業等が複数あることで、費用の分散ができます。この点が、企業単独型よりも普及している理由と思われます。

団体監理型による外国人技能実習生の受入れ方法

監理団体を作るか加盟する

外国人技能実習制度を団体監理型で利用する場合に、非営利の事業協同組合を立ち上げ、その後に外国人技能実習機構に監理団体として申請をするという方法があります。この場合は、実際に技能実習生を受け入れるまでに2年以上の期間を要します。
外国人技能実習生を既に受け入れている監理団体に加盟し早く受け入れる方法もあります。

技能実習生受入れまでの準備

実際に海外の送出機関に出向き、候補者と面接などを繰り返し、選定を行います。

技能実習計画作成

技能実習計画を作成し、その技能実習計画が適当であるとの認定申請を受けなければなりません。この技能実習計画は技能実習生一人ひとりについて作成することになります。技能実習計画違反があった場合には、改善命令や技能実習計画の認定取消しの対象になるため、慎重に作成しなければなりません。
技能実習計画が認定されれば、在留資格認定証明書の交付申請をします。在留資格認定証明書が入手できたら、ビザ申請し、ビザが取得できたら、実習生の入国になります。

技能実習生の入国後

技能実習生を受入れた後、入国後の法定講習というものを、約1カ月間実施しなければならないのです。内容としては日本語、生活・専門知識…日本の生活慣習や職種別の専門知識、法的保護講習…入管法や労働法、その他にも企業によっては、会社独自の専門・作業用語、海外送金方法、電話の掛け方、病気の場合の表現の仕方などを研修で教えます。このような入国後の研修が終えると、ようやく技能実習がスタートすることになります。

技能実習後

技能実習後は、上記で説明した通り、基本的に本国に帰ることになります。ただ例外的に、引き続き日本に在留して、働くことは可能です。 しかし、かなり条件は厳しく、就労ビザの要件をクリアしなければなりません。
具体的には、大学(短大含む)を卒業していること、大学で学んだ事と業務内容が関連すること、就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)に該当する職種であることが条件となっています。元々技能実習制度を利用して日本に来た外国人は、日本で技能等を習得した後に、帰国した後に安定した職に就こう考える人が、ほとんどで、制度自体がその流れに沿って作られているため、技能実習後に日本で就労するハードルは、かなり高いと言えます。

まとめ

外国人技能実習制度を利用するには、しっかりと準備段階から受入れ態勢を整えていく必要があります。日本人の採用のように、簡単ではありません。 安価な労働力補充の手段として、技能実習制度を利用しようとすると、かえって余計な経費や手間が増えてしまいます。

技能実習制度の問題

技能実習制度の問題点

技能実習制度の問題

外国人雇用の一環として行われている技能実習制度、しかし多くの問題点があります。

外国人技能実習制度の目的

外国人技能実習制度は、主に開発途上国の労働者を一定期間日本で受け入れ、技術や知識を学んでもらい、本国の発展に生かしてもらうことを目的としており、本来は国際協力・貢献のための制度です。しかし現在では、日本の労働者不足を補うための制度という側面が大きく働き方改革の外国人雇用の一端を担っている状態です。

外国人技能実習制度は、雇用契約は実習生を受け入れる企業と行いますが、雇用関係に関する多くのことを監理団体が管理しており、簡単に転職などすることができません。 実習生の受け入れ企業の経営者が有利な雇用関係となります。 外国人技能実習生に長時間労働を行わせたり、残業代を支払わなかったりなどの違法労働を行っても、実習生は受け入れざるを得ない状況となってしまいます。 こうした状況が出来てしまうと、外国人技能実習生を受け入れると、日本人を雇用するよりも安く済むというイメージができてしまいます。

外国人技能実習生の問題・トラブル

技能実習制度では実際にいくつかの問題も起こっています。

失踪

大きな問題は失踪です。悪質なブローカーによって失踪が斡旋されることもあります。もっと稼げる、もっといい環境で働ける、甘い言葉に技能実習生はついていき、失踪という結末を迎えます。技能実習生は原則3年間同じ受け入れ企業に勤めるため転職という選択肢がありません。そのため、辛い現実に当たると母国に帰るか失踪してしまいます。失踪者の主な理由が低賃金です。思った金額と違った、労働の対価としての金額に不満がある等の不満が積もると失踪を選ぶ技能実習生が出てきます。

近隣住民とのトラブル

技能実習生は外国人であり、日本の生活習慣に慣れていません。ゴミ出しのルールがわからず近隣住民とのトラブルになるなどのことが多々あります。また仲間を集めて騒いだり、ゴミを投げ捨てるなどのトラブルも起こります。

事故に遭う、起こす

技能実習生が労働時間外に交通事故に遭ったり起こしたりし、実習を中断せざる負えないケースもあります。

問題の要因

外国人技能実習生関連の事件・事故が頻発するもっとも大きな原因は、実習生自身が当初考えていたよりも稼げないからです。
これは、技能実習生に対して不当な賃金設定をしている企業に問題があるケースが多いですが、雇用側と実習生側の認識の違いという面もあります。 また、受け入れる側の企業が労働法令を遵守しようとすると、実習生に基準となる労働時間以上の残業を強いることができず、実習生によっては稼ぎたくても稼げないという状況が発生することになります。
実習生はより高い収入を求めて資格外活動をしてしまったり、犯罪に手を染めてしまったりという事が発生します。

雇用側の制度の悪用

外国人技能実習制度は、農業や畜産などの業種にも適用されております。多くの場合、労働基準法に基づき労働契約を結ぶ際に労働時間や一日の休憩時間、休日などを規定しますが、農業、畜産と言った自然を相手にする業種は、この労働時間にそぐわないということで、適用除外業種となっております。 このため、一日8時間以上働かせた場合でも、時間外賃金を支払わなくても、農業に関しては労働基準法違反とはなりません。
この事実を逆手にとり、農業分野では、外国人技能実習生への残業代未払いの長時間労働が大きな社会問題となりました。 ある地域では、外国人労働者を長時間酷使して、雇用主である農家はいい暮らしをするといった現在の奴隷制度などと言われて、大きな批判を浴びたこともありました

トラブルを防ぐためには

労働環境を整える

上限を無視し長時間労働などは日本人と同等に違法になります。技能実習生だからといって、例外になるわけではありません。労働環境を整えることで、失踪などのトラブルを未然に防ぐことができます。

信頼関係を築きしっかりと対応を行う

他の従業員と同様に技能実習生と接することで信頼関係が築け、何かあった際一人で抱え込まず相談してくれるようになります。技能実習生の不安や悩みを察知し、トラブルを未然に防ぐことができます。

まとめ

日本全体の労働環境は、今後景気が回復していくにつれて徐々に改善される方向に向かう可能性が高いですが、外国人労働者をめぐるさまざまな問題は、さらに複雑化していくことが予想されます。 日本人にとってもけっして無関係な問題ではないので、どういった議論がされているのかをしっかりと注視する必要があります。