2020/01/20

介護業界の問題点

介護業界の問題点

介護業界の問題点

介護業界は近年の高齢化に伴い需要が高くなっております。しかし離職率や職場環境などで、何かと問題に上がることが多い業界です。

介護業界の現状

劣悪な労働環境

介護業界は、3K(きつい・汚い・危険)と呼ばれることが多々あります。積極的に保険外サービスを提供している一部の事業所を除き、多くの事業所は介護報酬を主な収入源として運営を行っていおり、そして、利用定員や入所定員など受け入れ可能な人数に制限が設けられている介護サービスの場合、事業所が得られる毎月の介護報酬には事実上の上限が存在します。
介護報酬を主な収入源としている事業所にとってサービスの質、介護者負担、人件費の3要素はトレードオフの関係です。 そのため、業務プロセスを大幅に改善しない限り、手厚いサービスを提供するためには一人あたりの業務量を増やすか、他事業所より低い賃金で多くの介護職員を雇用して対応するしかありません。

社会的評価の低い?

核家族化や平均寿命の伸長による介護期間の長期化など時代の変化に伴い、身内への介護が負担となるケースが急速に増加したため、高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みとして介護保険が創設されました。 家族の代理というイメージが根強く残る介護職は、2000年4月の介護保険制度実施から20年近く経つ今でもまだプロフェッショナルとしての地位を確立することができていません。介護業界全体の質を高め、介護は誰でもできる仕事というレッテルを剥がさない限り、社会的地位の向上を図ることはできないのです。

深刻な人手不足

介護業界における人手不足は想像以上に深刻なもので、現役介護職員の90%が今の職場で人材不足を感じているといいます。 他業種に比べて給与が低く、心身ともに負担の大きい介護業界で就職希望者を集めることは容易ではありません。そのため、多くの事業所が資格や経験を求人条件から外し、一日でも早く人員を充足できるように努めています。
無資格者や未経験者を採用することは決して悪いことではありませんが、安易な求人条件の緩和や無理な採用が、サービスの品質低下や既存従業員の負担増加、職場の雰囲気の悪化、事故や虐待の増加などのリスクを高めてしまいます。

拡大し続ける需給ギャップ

介護職員の増加が要介護者や必要とされるサービス量の増加に追いついておらず。需要と供給のギャップは今後も拡大し続け、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年にはさらなる採用難が訪れると考えられています。

対策と取り組み

サービスの取捨選択を行う

どれだけサービスの充実を図ったとしても、介護保険において過剰とされる部分について介護報酬は発生しないため、職員を増員して対応させることはできません。介護理念に沿ったサービスを優先的に残すことによって、自事業所の魅力を損なうことなく労働時間の大幅な削減を図ることが出来ます。

腰痛予防やメンタルヘルスケアに取り組む

介護職員の離職理由をまとめたランキングで常に上位に入っている心身の不調。その内訳の大部分を占めるのが、腰痛とメンタルヘルス不調です。 介護業務従事者の多くが常日頃からストレスや腰痛を感じているといいます。また、一日に多くの身体介護を提供している職員ほど不調を訴える割合が高く、状態も重度化しているといいます。
身体的な負担を軽減させる最も簡単な方法は、移乗用リフトや寝返り支援ベッド、介護浴槽などの機械を導入することです。しかし、導入コストが大きな負担となる場合には、全職員に腰痛ベルトを配布し、介護側の負担が少ない介護技術の周知徹底を図るだけでも一定の成果を得ることができます。 メンタルヘルスケアでは、ワンオペと呼ばれる環境で働くことが多い職員はストレスや孤独感を特に感じやすいため、十分な面談時間を確保するように心掛けましょう。

まとめ

需要の大幅な増加に伴い、人材不足がより深刻になると予想されます。働き方改革を進め人材確保と環境改善を行い。働きやすい環境を作り出し、高齢者の増加に伴う需要に対応できるようにしましょう。