2019/03/06

プレミアムフライデーとは? 現状と今後の課題

プレミアムフライデーとは? 現状と今後の課題

プレミアムフライデーとは

プレミアムフライデー

プレミアムフライデーは、2017年に政府と経済界が提唱した個人消費喚起キャンペーンで、午後3時に仕事を終えることを奨励するもの「働き方改革」と連携し、給与支給日直後に該当しやすい月末金曜日には、夕方を買い物や旅行などに充てることを推奨するキャンペーンのことです。

官民連携で結成された「プレミアムフライデー推進協議会」という組織が普及活動を行っており、多くの方が生活の豊かさを感じられるように商品やサービス、イベント等が様々な地域や企業等で検討・実施されています。

プレミアムフライデーの目的

個人消費の拡大

飲食や買い物、旅行など個人消費の拡大を狙っています。家族で旅行へ行ったり、友人と買い物に行くなど、休みや早く帰れた時間を満喫するために消費活動が活発になり、経済効果への期待が高まります。飲食店などでプレミアムフライデー限定キャンペーンもおこなっているところもあり、経済効果が期待されていました。

働き方の改善

プレミアムフライデーの導入することにより、業務の効率化が期待されています。効率化することで残業の削減され社員の満足度の向上にもつながりまた、企業の働き方の変化も見込めます。

想像以上に定着せず?プレミアムフライデーの現状

大手企業では導入を行うなどの動きがありましたが、午後3時に仕事を終わらせるという目標の達成が難しい他、中小企業や地方では一向に進まず、またキャンペーンの規模も縮小するなど、定着には程遠い状況です。

導入企業

プレミアムフライデー開始当初、大手企業は積極的に導入を行いました。経済産業省が発表する資料では2018年6月5日時点で524社が「プレミアムフライデー」を実施しているようです。

目論見どおりの経済効果が得られず

プレミアムフライデーを取得しても、多くの人が、プレミアムフライデーを自宅でゆっくり過ごしているため、消費活動の拡大には課題が残っており、期待していた個人消費の増大という目標は達成できずにいます。そもそも消費すべきお金が手元にないためどうしようもありません。

プレミアムフライデーの問題点

導入できる業種が限られている

そもそも小売業や飲食業などの業種は15時退社ができません。むしろプレミアムフライデーは繁忙期となるので導入することは無理でしょう。導入できたとしても店舗スタッフ以外となってしまいます

飲食業

月末という時期

確かに25日が給料日な企業は多いので消費者はお金を持っていますが、月末が忙しい企業が多いです。業務に追われている状態で帰るのはおそらく無理です。帰ったとしても別日にしわ寄せ残業が来てしまいます。そもそもの日程を見直す必要があります。

納期

地方に定着していない

話題になるのは都会だけで、地方だとプレミアムフライデーは全く定着していません。地方自治体が積極的にPRしていないので、定着しません。

企業側のメリットがあまりない

企業側へのメリットが現状ほとんどありません。確かに15時退社となれば業務の効率化を社員は考えるようになるかもしれません。それでも15時に全員が一斉退社は無理です。また、助成金なども無いので多くの企業はマイナスに捉えてしまいます。

プレミアムフライデーで必ずしも飲食店を利用するわけでない

自由な時間が増えたとしても、自由に使えるお金が増えたわけではないため、プレミアムフライデーを取得しても、必ずしも飲食店を利用しないのが現状です。

そもそも消費者にお金がない

プレミアムフライデー制定の際、何故か「国民は十分お金を持っているにもかかわらず、労働時間が長すぎてお金を使う時間的な余裕がない」という前提で作られてしまった制度のため、見直さない限り効果は得られないと思われます。お金を使いたくてもお金そのものが手元にない状況が続いているのに、政府や経済界が号令をかけても消費が増えるはずがありません。

定着せずとも一定の効果?プレミアムフライデーの効果

早く帰ることを促す効果はあった

プレミアムフライデーのおかげか早く帰るようにするという風潮を作る事には成功したらしく残業時間の平均が減少傾向にあります。

以前帰りづらい空気の強かった現場でも早めに帰るように促されるようになるなど、一定の効果はありました。

残業時間平均

当初の消費増大という目標は達成できませんでしたが、働き方改革における残業の削減など実現可能な範囲での効果があったため、見直した上での継続が望まれます。

働き方改革 参考記事

今後の課題

プレミアムフライデー自体も導入からまだ2年程しか経っておらず失敗だったと決めつけるのは早く、働き方改革としての効果はそれなりにあるため、制度を見直した上での運用が求められます。

定着しない理由として、忙しい金曜日の月末に指定したこと、(3月の月末に至っては年度末にぶつかる)消費者がお金を持っていることを前提に消費増大を促したことが要因です。
業種によって日にちや時間をずらす、積極的な企業の取り組み事例を地方や中小企業に伝え、定着につなげるなど追加施策を打ち出して行く必要があります。

また消費を喚起するためには働き方改革と合わせて所得の引き上げなどの対応は必須です。

まとめ

数多くの課題がありますが、長時間労働を改善するためには必要な活動です。個人消費の増大という目標は達成できていませんが、早く帰るようにする風潮を作るなど一定の効果はありました。今後は中身の質はもちろん、導入されやすくなるような仕組み作りをしていく必要がある他、継続することが重要になっていきます。