2019/01/09

高齢者活用に関する補助金・助成金

高齢者活用に関する補助金・助成金

高齢者活用に関する補助金・助成金

老齢年金の受給開始年齢が引き上げられるなど、高齢者にとって定年後の再就職は死活問題になっていますが、簡単に就職できるほど企業が門戸を開いている状況でもありません。 そこで政府では、60歳以上の高齢者の雇用を促進するための施策として、数々の助成金を用意しています。

高年齢者雇用開発特別奨励金

入社日の満年齢が65歳以上の離職者をハローワーク等の紹介により、1週間の所定労働時間が20時間以上の労働者として雇い入れる経営者に対して助成されます。(1年以上継続して雇用することが条件です。) 定年を迎えたような労働者が活躍できるよう、労働市場を拡げる動きを政府が応援するために作られた制度です。

支給要件

  • 対象従業員の雇入れ日の前後6か月間に、事業主の都合による解雇をしていないこと。
  • 労働者名簿、賃金台帳、出勤簿等を法の定めに則って整備・保管していること。
  • ハローワーク、民間職業紹介事業者等を経由し、紹介されたうえで雇用されること。
  • 1週間の所定労働時間が20時間以上の労働者として雇い入れられること。

支給金額

1週間の所定労働時間が週20時間~週30時間未満の労働者の場合 約50万円(1年に2回半額支給)
1週間の所定労働時間が週30時間以上の労働者の場合約70万円(1年に2回半額支給)となっています。

65歳超雇用推進助成金

少なくとも65歳まで希望者全員が安心して働ける雇用基盤を早期に整備するとともに、定年70歳に向け65歳以上への定年引き上げ、定年の定めの廃止、または66歳以上までの継続雇用制度の導入を行う企業に対して、助成金が支給される制度です。この助成は雇用内容によって三つのコースがあります。要件の確認や相談、申請は独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構の各都道府県支部が窓口となっています。

65歳超継続雇用促進コース

「A.65歳以上への定年引き上げ」「B.定年の定めの廃止」「C.希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入」のいずれかを採用した事業主に対して助成を行うコースです。要件として

  • 制度を規定した際に経費を要した事業主であること。
  • 労制度を規定した労働協約または就業規則を整備している事業主であること。
  • 制度の実施日から起算して1年前の日から支給申請日の前日までの間に、高年齢者雇用安定法第8条または第9条第1項の規定と異なる定めをしていないこと。
  • 支給申請日の前日において、当該事業主に1年以上継続して雇用されている者であって60歳以上の雇用保険被保険者が1人以上いること。
  • 高齢者雇用推進員の選任および年齢者雇用管理に関する措置を一つ以上実施している事業主であること。(教育訓練の実施、作業施設・方法の改善、健康管理、安全衛生の配慮、処遇の改善など)

高年齢者雇用環境整備支援コース

高齢者向けの機械設備の導入や雇用管理制度の整備を行う場合に支給されるコースです。

1.機械設備・作業方法・作業環境の導入や改善を行う場合

中小企業であればかかった費用の60%が助成されます。

2.高齢者の職務に応じて賃金・能力の評価制度、短時間勤務制度などを導入した場合

1年以上の雇用で60歳以上の雇用保険被保険者のうち「措置により雇用環境整備計画の終了日翌日から6カ月以上雇用されている人数×28.5万円」が助成されます。 これらは、1と2の金額を比較して少ない方の金額が支給となります。また、企業規模問わず総額で1,000万円が上限となります。

高年齢者無期雇用転換コース

50歳以上で定年年齢未満の有期契約従業員を無期雇用に転換した場合に支給されるコースです。

申請を行うためには

「特定求職者雇用開発助成金」などはハローワークより案内をしてもらえますが、提出する出勤簿、賃金台帳、雇用契約書等についてはそれぞれの整合性など法律に沿った審査が入ります。 法令に沿っていなければ、最悪不支給になるケースもあります。
また、65歳超雇用推進助成金は、審査を行うのが各都道府県労働局ではなく、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構という機関になっています。こちらは労働局に提出する助成金申請書よりも数段チェックが厳しいとのです。 確実な申請のためには労働基準法を始めとした労働法令をクリアする必要がありますので、社労士等に相談する必要があります。