女性活用のポイント
目次
女性の活躍の現状
この課題を解決するには、働くことを希望する女性が仕事を持つようになるだけでなく、働く女性がその希望に応じ能力を十分に発揮できる働き方を実現できるかが重要となります。
近年女性の就業率は上昇を続け、働く女性は大きく増加したものの、これに比して企業等において管理的立場に就く女性の割合は低い状況にある等,女性の力が十分に活かされているとはいえない状態です。
女性の活躍の課題
社員の意識改革が進まない
「女性活躍」というキーワードだけが認知され、女性が働きやすい環境が整うことによる効果や必要性がまだ十分理解されていない状況です。 特に、施策を運用したり業務のマネジメントを行う管理職層に女性活躍推進の必要性を浸透させることは必要不可欠です。 必ずしも全員が女性活躍について等しい価値観や知識を持っているわけではないことが言えます。 女性が働きやすい環境を整備することで、組織全体にどのようなメリットがあるのかをしっかりと周知していくことが大切です。
制度はあるもの運用がうまくいかない
「女性社員に向けた制度を整えたものの現場ではなかなか使われていない」このように、女性が働きやすい環境を整えようと施策を打つものの、 実際の管理職や女性社員がその制度を活用できていないというケースは非常に多くあります。
施策の内容が自社の女性社員の課題に合っていない
「管理職を任せたいと思っても女性社員に意欲がない」というように、女性社員に活躍の場をつくろうと試みても、なかなか女性社員を登用することが難しい場合があります。
人事が求める女性社員像と、女性社員が希望するキャリアの描き方のすり合わせができていないことが考えられます。
また、働く女性の中にはワークとライフの両立に対して不安を抱き、キャリアを自らセーブしてしまう女性社員もいます。
女性社員が実際にどのような悩みや不安を抱えているのかという本音を具体的に把握し、
それらを解消しながら活躍をサポートしていくことが必要です。
女性活躍推進法に基づいて企業が行うこと
自社の女性活躍に関する状況の把握と課題の分析
自社の女性採用比率、平均勤続年数の男女差、労働時間の状況、女性管理職比率などの状況を把握。例えば、平均勤続年数が女性だけ短くはないか、女性が管理職に登用されているか、などをチェックしながら、自社の課題は何かを分析します。
行動計画を策定、社内周知し、外部に公表する
分析した課題をどのように改善していくか、具体的な行動計画を立てます。具体的な数値目標を掲げて、社内に周知した上で、外部にも公表します。
行動計画を策定した旨を労働局へ届け出る
策定した行動計画を、各都道府県の労働局に届け出ます。
それらはあくまで現状の状況報告と展望にしかすぎません。企業は行動計画に基づいて実行した結果を振り返り、改善していくことも求められています。
えるぼし認定とは
女性活躍推進法に基づいて行動計画の届出を行い、女性の活躍推進に関する取り組みの状況が良好な企業は、厚生労働大臣から「えるぼし」認定を受けることができます。 えるぼし認定を受ける条件は、
- 男女別の採用時における競争倍率が同程度であること
- 平均勤続年数が男女間で同程度であること
- 約10年前に採用された新卒採用者で、現在も継続して働いている労働者の割合が、男女間で同程度であること
- 労働時間等の働き方:法定時間外労働と法定休日労働時間の合計時間数の平均が、すべての月で45時間未満であること
- 管理職に占める女性割合が産業ごとの平均値以上であること
- 直近3年における課長より一つ下の職階の労働者のうち、課長級に昇進した労働者の割合が、男女間で同程度であること
- 多様なキャリアコース:女性の非正社員から正社員への転換や、女性の正社員の再雇用などのキャリアコースが整備されていること
上記の項目をひとつ以上クリアすることが、条件となっています。
えるぼし認定を受けると、以下のようなメリットがあります。
- 国が行う公共調達の際に加点評価され、有利になる
- えるぼしマークを自社商品などに印刷することができる
- 女性の活躍が進んでいる企業として認められ、企業イメージがアップし、優秀な人材を採用しやすくなる
- 公共調達の際に加点評価されることは、ビジネスにも大きなメリットがあります。女性の活躍推進に対する国の本気度がうかがえます。
厳しい基準ですが、えるぼし認定企業は続々と増えています。2016年5月末時点では74社でしたが、2017年3月末時点では291社まで増えました。