高度プロフェッショナル制度のメリット

高度プロフェッショナル制度のメリット

高度プロフェッショナル制度とは

働き方改革で当初かなり騒動となった高度プロフェッショナル制度(高プロ)。働き方改革法案施行からしばらく経ち話題に上がらなくなりましたが、改めて高プロについて再確認します。

高度プロフェッショナル制度のメリット

高度プロフェッショナル制度で期待されているメリットとして、少ない労働時間でありながら高い報酬が約束される可能性があります。

労働生産性の向上

日本の企業の労働生産性の低さは常々指摘されてきており、行政を挙げて労働生産性を向上し、国際競争力を高めようという動きがあります。現状の国内企業の傾向として、残業をすれば成果に関係なく報酬が支払われるため、仕事が遅い人の方がより報酬が多いといった問題があります。
しかし、高度プロフェッショナル制度においては、労働時間に報酬が左右されないため、効率よく短時間で成果をあげようとするモチベーションから、労働生産性の向上が期待できます。加えて、仕事が終わっていても退社することができない、といったような日本企業の悪習を断ち切る意味合いも含まれています。

ワークライフバランスの実現

企業人材の多様化の観点から、女性が働きやすい労働環境の整備に注目が集まっています。
そんな中、高度プロフェッショナル制度においては、出社や退社の時間が自由に決められるため、育児や介護などと仕事の両立が可能となり、ワークライフバランスの実現が期待されます。ただし、柔軟な働き方が実現されるのは一部の理想的な場合に限るとも考えられ、以下のデメリットに挙げる残業の横行とも表裏一体であるのが実情です。

子育てや介護などでオフィスワークが難しい人には適した働き方?

労働時間は賃金に反映されないという働き方ですから、考え方によってはメリットが大きいといえます。ただ、成果は出さないといけません。
一定の時間外に出て働かなくても、子育てや家事、介護の空き時間を利用して働くことができるため、子育てや介護などでオフィスワークが難しい人には適した働き方です。

無駄な残業代が不要

残業をすればするほど報酬が増える、という矛盾が解消され、企業にとっては人件費のコストカットを図ることができます。

成果と無関係な給与設定による不公平感が是正される

仕事の進行が遅い労働者の場合、必然的に労働時間が長くなります。成果が上がらないにもかかわらず労働時間だけが加算される従来の給与設定は、不公平感を生み出します。
高度プロフェッショナル制度は、労働時間ではなく成果物と給与設定が連動しています。仕事ができる労働者は、短時間で仕事を終了でき、それにより自由時間を生み出し、さらに給与も保証されます。労働時間による給与設定から生じる不公平感が是正されるというメリットが、企業と労働者双方に与えられます。

そもそもなぜ成立したのか

高度プロフェッショナル制度は、2007年にアメリカでも実施されているホワイトカラーエグゼンプション制度として法案が検討されました。
しかし、過労死の原因となるとして提出には至りませんでした。その後、見直されながら検討、廃案を繰り返し働き方改革の法案の一つとして、2018年に成立しました。

賛成派の主張「ワークライフバランスの向上」

賛成派は、働き方自体を変えることで労働生産性の向上だけでなく、労働者自身のワークライフバランスが向上する効果を挙げています。
テレワークや在宅勤務などで会社に出勤しなくても働くことができるワークスタイルの登場です。知的労働の部分が大きい職業であれば、自宅に居ながら仕事をしたり、通勤時間をずらして働いたりすることが可能になります。

反対派の主張「残業代ゼロ制度」

反対派の主張は様々ですが、要約すると合法的に残業代がカットされるため残業代ゼロ制度にすぎないのではないか、ということです。政府はそれに対し、厚生労働省の調査を元に裁量労働制においては、一般労働者よりも平均労働時間が短いことを根拠にしていましたが、このデータが不正確であったことが判明した経緯があり、正当性が揺らいでしまいました。

高度プロフェッショナル制度と裁量労働制との違い

裁量労働制は、労働時間の長さとは関係なく労働の質・成果によって報酬を定めることを可能にしている制度です。
高度プロフェッショナル制度との共通点として、報酬を労働時間ではなく、労働の質や成果物で評価を定めています。 対象職種や業種に違いはありますが、労働時間ではなく成果物によって報酬を定めることは2つの制度の共通点です。

残業代の有無

高度プロフェッショナル制度は、労働基準法の定める法定労働時間と休憩・休日の規制が一切適用されません。
一方裁量労働制は、労働時間の計算を実労働時間ではなく、あらかじめ定められた「みなし時間」によって行います。また22時以降翌朝5時までの深夜労働が発生した場合、深夜手当など割増賃金が発生します。

法定休日に労働した場合も割増賃金が発生します。一部残業代の有無に関して、高度プロフェッショナル制度と裁量労働制はその性質が大きく異なります。

対象労働者の年収の違い

高度プロフェッショナル制度では、年収1075万円を目安にした労働者に限って制度が適用されます。対象労働者の職種や業種も、 金融商品の開発業務、アナリスト業務、コンサルタント業務、研究開発業務に限定されています。

一方、裁量労働制の場合、年収要件は設けられていません。
対象職種や業務も、研究開発、出版事業の取材や編集、システムコンサルタント、公認会計士や弁護士、証券アナリストなど19業務、および事業運営上の重要な決定が行われる企業の本社などにおいて企画、立案、調査および分析を行う労働者と幅広いのが特徴です。

まとめ

高度プロフェッショナル制度は、労働時間でなく成果物で報酬を設定する制度で、対象は特定の高度な専門的職種や業種に限定されています。制度は労働基準法の適用外となるため時間外手当などは一切出ません。
しかし、労働者は自分で時間を自由に使って能力を存分に発揮できますし、企業はそれによって生産性が向上し、収益が改善する可能性も高くなります。

どう言われてもこの制度の最終的な目標は柔軟な働き方の実現と労働時間の見直しであるのには変わりないので、制度の効果的な活用を労使で考えてみるのはいかがでしょう。

働き方改革に使える日報の書き方

働き方改革に使える日報の書き方

働き方改革に使える日報の書き方

日報の書き方に悩んでいる人も多いのではないでしょうか。日報は業務の報告の他に共有する事で進捗の確認と問題の解決方法の提案を行う事が出来、日報は書き方と運用をしっかりと行う事で業務に生かす事が出来ます。

日報の書き方と活用方法

日報は業務を可視化して気づきをもたらすツールです。上手に活用することで継続的に業務を改善したり、効率化していくことが可能になります。

タスクの進行確認

日報には、過去に書いた日報を見返すことができる利点があります。過去を振り返ることで、既に終わった業務、未着手の業務、優先してやるべき業務が整理されるため、タスク管理のツールとしても利用できます。タスク管理で業務が整理されれば、効率的に仕事に取り組めるようになります。

業務の中で得たノウハウのメモ

その日の業務で発見したノウハウや気付きを日報に記載します。例えば、その日の業務でつまずいた場面と、その状況に対してどのように対処したかを日報にメモすることで、次の日以降、同じ場面に遭遇した時に素早く対処でき、作業効率が向上します。

反省点や具体的な改善策を書く

その日の目標を達成できたかを振り返り、もし目標を達成できていれば、達成できた理由を記載します。 逆に、目標を達成できなかった場合は何が良くなかったのかを考え。その際、反省だけでなく、具体的な改善策を記載し、目標を達成するには、どうすれば良いのか? を考え、実践します。

感想と所感の違い

日報は業務報告の役割を果たすビジネス文書であります。 日報を書く時には、単に業務の感想を書くだけではなく、有用性の高い所感を書くことが重要です。
感想とはある物事について、感じたり思ったりしたことを指し、所感は感想から一歩踏み込み、自身の意見を加えたものを指します。 日報に感想を書くと、単なる感想文のように見えてしまいます。

日報の共有

フィードバックをもらい、改善に活かす

日報を書く上で欠かせないのが、指導してくれる上司や先輩とのコミュニケーションです。
日報を書いたら必ず上司や先輩からのフィードバックをもらって、毎日、確認し、指摘を踏まえて改善に取り組みましょう。フィードバックをもらうことで、 また、テンプレートを活用した日報の書き方を実践していれば、読みやすく内容がまとめられているので上司もスムーズに日報をチェックすることができるでしょう。

朝の日報で1日を可視化する

日報を書く時間がどうしてもかかってしまう人は、出社したらすぐに1日のスケジュールを記入しておきましょう。出社後すぐに日報を書くメリットは、1日の時間の使い方を可視化し、仕事量を認識することができる点にあります。突発的な仕事があったとしても、仕事量を正確に把握していれば、対応可能かすぐに判断することも可能になります。

ツールを用いてさらに効率化

日報にメールや手書きを用いている企業も多いかと思いますが、日報に書いてある情報を社員で共有する際はアプリやツールに日報を記載し共有する事により、社内コミュニケーションを活性化させる事が出来ます。進捗状況などをすぐ把握する事が出来るようになるため、スムーズに業務を進める事が出来ます。

まとめ

日報を書く時には、単に業務の感想を書くだけではなく、有用性の高い所感を書き共有する事により、業務の改善につながったり、新しい提案につながる事があります。 業務内容の把握もしっかりと書く事によってより詳細な計画を立てる事が出来るようになります。

働き方改革の役に立つツール

海外の働き方改革

海外の働き方改革

海外の働き方改革

海外でもワークライフバランスを見直そうという動きが定期的にあり、インターネットの普及によるテレワークの充実などその時代に合わせた働き方など多くの事例があります。

海外の事例

アメリカの働き方

アメリカの働き方改革では、政府が主導で制度改革を行なっているわけではなく、個々の民間企業がそれぞれ独自に働き方を定めているという点に特徴があります。
アメリカでは、IT環境が整っているのでリモートワークも盛んにおこなわれています。そのため、定時に帰っていても、家でメールチェックをしたり、休みの日にもリモートワークで働いていたりと意外にも労働時間が長いことがわかります。柔軟な働き方が認められるということは、同時に、自分自身で労働時間を上手に管理する能力が必要になってくるということでもあります。

韓国の働き方

韓国では2018年7月に働き方改革がスタートしました。残業を含む労働時間が従来の68時間から週最大で52時間にまでに短縮され、違反すれば事業主が処罰されるという制度設定になっています。
これまでの週68時間の労働時間というと朝9時~24時くらいまで働くという計算になるので、明らかに長時間労働だといえますが、韓国ではこれが当たり前でした。
韓国は超学歴社会で極端な大企業志向問題や若年層の失業率の問題など、これらの問題を解決するための手段として、働き方改革が進められています。

ヨーロッパの働き方

北欧の企業は時間管理が柔軟な点に特徴があります。スウェーデンの企業では、月曜日から木曜日まで働いて、仕事が残った人に関しては、金曜日に出社するか、自宅で仕事を終わらせるかを選択できるというように、非常にフレキシブルな考え方をします。このような働き方ができるのは、今週はこのくらい働くというようにタスク管理ができているからで、仕事を成果で上手く切り分けている事により、生産性を上げて働けば休みが取れるというようになります

時間で評価するか、アウトプットで評価するか

日本では、部下が目に見えるところにいないとサボっているのでは?と考えるマネジメント層は多いと思います。しかし、海外の事例を見てみると、部下がオフィスにいる時間ではなく、働くことで生み出したアウトプットを見ているからです。

海外では、時間に対して報酬を与えるのではなく、生み出した成果に対して報酬を払うという考え方が主流で、何時から何時まで働いたということよりも、いつ働いてもいいから一定期間内にこれだけの成果を上げたということを重要視する傾向にあります。

まとめ

異なる地域の国々を比較すると労働時間、環境、働くことに対しての価値観が大きく違うことが分かります。
どの国が良くて、どの国が悪いとかではなく、いいところを上手く取り入れ、働き方改革を実現する事を目指す事がもっとも建設的かも知れません。

働き方改革の役に立つツール

日報の有効活用

日報の有効活用

日報の有効活用

日報とは、一日の業務報告をまとめたものです。日々提出する日報は、仕事の状況を把握、記録、共有するのに必要となります。日報の作成・共有を効率化することで情報共有と社内コミュニケーションの活性化を促進を図る事が出来ます。

効率化と可視化を両方実現

上記の事例の他に日報アプリを導入することで、このようなメリットがあります。業務日報の作成が楽になるだけでなく、会社全体で業務日報を有効に活用することが可能となります。

時間・場所を問わず、日報を作成できる

日報アプリにより、いつでも・どこでも・簡単に日報の作成・提出が可能。通勤時間や移動時間・待ち時間などのスキマ時間を、有効に利用できます。また業務日報を書くためだけに、帰社する必要もありません。直帰することも可能になります。

社内のコミュニケーション活性化につながる

日報アプリの多くに、コメント機能やリアクション機能が実装。SNSを見るような感覚で、気軽なコミュニケーションができます。作成時の通知機能もあるため、日報を確認する上司にとってはリマインドに。さまざまな効果が期待できます。

会社の資産として活用できる

業務日報は、個人の記録と思われがちです。しかし個々の社員の経験や知識・ノウハウが書かれた「会社の大切な資産」。「前任者のアプローチ方法を知りたい」「課題を解決するため、先輩の日報を見たい」など、会社全体で情報・ノウハウを有効活用できます。

日報は会社の資産

なぜ日報が必要?

勤務後描く事に困ったりと日報に、いい印象を持つ人は少ないでしょう。そのため、体裁を整えて、とりあえず書き上げるだけになってしまうことも多いと思います。しかし、日報の目的は、「書くこと」ではありません。それを、さまざまな形で活用することが本来の目的です。

進捗を把握し業務目標を達成するため

日報は、その日の行動を整理して振り返るためのものです。そのため、業務の進捗状況を冷静に把握するいい機会となります。もしもトラブルが起こったり壁にぶつかったりしたとしても、日報を書くことでその出来事を冷静に見つめ直せば、解決策のヒントが見えてくるかもしれません。
これは、日報を書く本人だけでなく、確認をする上司も同様で、日報によって、業務の進捗状況をつかむだけでなく、何らかの問題が発生している場合アドバイスを行い、業務を正しい方向へ導いていくことが可能です。

情報を共有して効果的に活用するため

日報は社員の行動の記録ですが、これをメンバー間で共有することで、とても大きな成果を得ることができます。
たとえば、営業部員の日報は、その多くが顧客とのやりとりの記録になります。ですから、顧客のニーズや現時点で抱えている問題、将来的な課題などを、日報から読み取ることもできます。これらの情報をメンバー間で共有することでチーム全体のパフォーマンスを底上げすることもできます。
日報は、そこに蓄積された情報を共有することで、より大きな成果へとつなげることができるのです。これは、各部署のマネージャー、さらには経営者も、しっかり認識しておくべきことでしょう。

仕事を振り返り、自己の成長につなげるため

自分自身の過去の日報を振り返る事により、あの時はどうするべきだったなどを振り返る事により自分の成長を確認すると同時に業務における過去の解決方法を知り、今後はどのようにすればいいのかという事が見えてくるでしょう。

まとめ

日報に蓄積される情報は、何もしなければ埋もれていくばかりです。しかし、積極的に共有し活用すれば、それは大きな価値となります。適切なツールを選び、活用法を知り、実際に運用する事により業務に大きく貢献する事が出来ます。このことを、経営トップからマネージャー、現場メンバーまですべてが認識すれば、業務の生産性はさらに向上するでしょう。
日報ひとつにも気を配って有効活用することは、すべての企業にとって重要なことです。

働き方改革の役に立つツール

日報報告のIT化の事例

日報報告のIT化の事例

日報報告のIT化の事例

多くの企業が業務効率化のためにITシステムを導入し始めています。 紙の日報の管理に限界を感じている、情報共有ツールを検討している場合、まずは日報のデジタル化からはじめてみませんか?

日報のIT化ツール導入事例

日報の自動化ツールを導入すると具体的にどのような効果が表れるのでしょうか。

既読機能により日報の提出率上昇

日報の共有は行われておりましたが、誰が読んでいるのか分からない、読まれているのかどうかも分からないという状況ので日報を書くためのモチベーションが上がらない状態で、社員の間では、日報を書くのが面倒という雰囲気が蔓延していました。
そこで、既読機能のある日報アプリを導入。それまでと比較して日報提出率が50%から100%に急上昇しました。既読表示により、誰が読んだか分かるようになったことが大きな要因だったようです。 また提出状況一覧機能で、誰が日報を提出していないかがわかり、提出を促す「リマインドメール」が未提出者に送信し、日報を提出するように呼びかける手間もなくなりました。

数字の見える化で売上の向上に

日報アプリの中にはKPI管理ができ、契約数や売上などを分かりやすく表示できるツールもあります。 それまでExcelなどで行なっていた数値管理を、日報アプリで実施。メンバーの動きを把握できるため、営業職やサービス業での運用に向いています。
また売上をグラフ化し、進捗確認することも可能。達成率の見える化により、メンバー間の競争心が刺激されるようになりました。もっと売上をあげたいといったモチベーションにつながり、メンバー同士がこれまで以上に切磋琢磨するようになるという効果も見込めます。 日報と売上の報告が同時にできるツールのため、これまでのようにExcelの売上表と比較する手間も必要ありません。このように日報と結び付いた数字の見える化により、実際に売上が前年と比較して250%を達成した会社もあります。

日報自動化のメリット

上記の事例の他に日報アプリを導入することで、このようなメリットがあります。業務日報の作成が楽になるだけでなく、会社全体で業務日報を有効に活用することが可能となります。

時間・場所を問わず、日報を作成できる

日報アプリにより、いつでも・どこでも・簡単に日報の作成・提出が可能。通勤時間や移動時間・待ち時間などのスキマ時間を、有効に利用できます。また業務日報を書くためだけに、帰社する必要もありません。直帰することも可能になります。

社内のコミュニケーション活性化につながる

日報アプリの多くに、コメント機能やリアクション機能が実装。SNSを見るような感覚で、気軽なコミュニケーションができます。作成時の通知機能もあるため、日報を確認する上司にとってはリマインドに。さまざまな効果が期待できます。

会社の資産として活用できる

業務日報は、個人の記録と思われがちです。しかし個々の社員の経験や知識・ノウハウが書かれた「会社の大切な資産」。「前任者のアプローチ方法を知りたい」「課題を解決するため、先輩の日報を見たい」など、会社全体で情報・ノウハウを有効活用できます。

まとめ

日報をIT化する事により、効率を改善しながら社内の可視化に繋げる事ができるようになります。
業務日報を今よりも一層価値あるものにして、生産性向上やコミュニケーションの改善に努めていきましょう。

働き方改革の役に立つツール

手書き日報からの脱却

手書き日報からの脱却

手書き日報からの脱却

建設業、警備業など外部先に派遣、現場にいる事が多い職では日報報告などの事務的業務は、会社や事務所に戻り行う事が主流となっております。しかし、働き方改革を進めるにあたりこちらも改めなくてはなりません。

手書き日報の問題点

ITが一般化されているにもかかわらず、何故か日報などの報告書の類は手書き以外はNGという事例が多々あります。しかし業務の効率を考えれば、手書きの日報はデメリットが大きく効率的とは言えません。

タイムリーな情報共有ができない

外部や現場などに派遣されている建設業、警備業では事務所に戻る必要があり、また手書きの日報をpcで再入力するという企業もあり、二度手間になってしまいます。一つ一つは小さな作業ですが、積もり積もって大きな時間の無駄に。この非効率さが、残業を生む温床になっているのです。
また遠方の現場から会社に日報が届くまでの待ち時間がかかる事などが事務員や他の社員の負担になっており、全体的な効率を落としております。

取りまとめ・管理が大変

提出状況の把握・集計ができず、誰が提出して、誰が未提出なのか、1枚1枚確認しなければなりません。また、訪問件数や営業実績といった集計もできないため、別途エクセルでの集計管理が必要になります。

コストがかかる・保存場所を取る

紙、印刷するためのインク、保管用ファイルなどのコストがかかり、それを保管するスペースも必要です。もし紛失してしまった場合、情報漏えいのリスクもあります。

日報報告のシステム化、IT化のメリット

日報のシステム化、IT化を進める事により、情報共有のしやすさ、検索機能、社内コミュニケーションとしての機能など、あらゆる面において効果的です。時間や手間を大幅に削減できます。

入力の二度手間がなくなる

最大のメリットとして、スマートフォンから現場で直接入力し、直接事務に送信することで、会社に戻る手間、手書きからpcで再入力する手間がなくなります。また、誰が未提出なのかなどの把握がしやすくなります。

タイムリーに情報共有できる

常に社内で参照できる状態にする事により、情報共有がスムーズに行う事ができます。日報のデータをweb上で管理する事により、どこでも請求、勤務状況の把握と確認を行う事が出来ます。

データ保存でスペースなどの保管コストが削減できる

データ上で保存するため、紙のように保存場所を取ることはありません。また物理的に紛失するリスクを軽減する事が出来ます。

まとめ

日報をシステム化、IT化する事により、手書き日報での手間やリスク、情報共有の効率化が実現出来、大幅な環境改善につながります。 小さなことではありますが、大きな効果があります。
働き方改革における効率化はこのようなところから行なっていくのがいいかもしれません。

働き方改革の役に立つツール

働き方改革と東京オリンピック

働き方改革と東京オリンピック

働き方改革と東京オリンピック

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、企業や団体に在宅勤務など場所や時間にとらわれない働き方を推奨するテレワーク・デイが2017年から実施されています。働き方改革と東京オリンピックは接点が無いように思えますが、東京オリンピックの影響とは何でしょうか。

交通混雑を緩和が目的

テレワークへの注目が高まっている理由として、東京2020大会における交通混雑回避を行おうというものです。
東京オリンピックにおいて予想される交通混雑緩和のため、競技会場周辺の企業はもとより、政府や東京都より広く大会期間中のテレワークの積極的な利用が呼びかけられています。

混雑の予想

通常時に比べ道路・鉄道が非常に混雑することが想定されています。2020年の東京オリンピック輪の開催期間中は、混雑率200%の電車が1.5倍になるという予測もあり、総務省や組織委員会などが、企業に対して、時差通勤や在宅勤務などのテレワークの推進を呼びかけています。
2002年のサッカーワールドカップは、日韓共催であり観客は分散し、2019年のラグビーワールドカップも日本全国で開催のため、観戦者が一極集中することはありませんでした。
しかし今回は一都三県と比較的首都圏に集中しているため、通勤時間帯などに混雑と大きな混乱が予想されます。

他大会での事例

この状況の対策となるモデルとして、2012年のロンドンオリンピックがあげられます。ロンドン市内の混雑緩和のために、約8割の企業がテレワークを導入し、オフィスに縛られない働き方を実践しました。その結果、開催期間中の混乱は必要最低限に抑えられ、オリンピック終了後もテレワークが社会に根付いたと言われています。

東京オリンピックを契機に、テレワークが定着するのか

現在、働き方改革の一環として、一人ひとりが自身のライフスタイルに合わせ、柔軟に働くことができる「テレワーク」という働き方を推進しています。
東京オリンピックでは、交通混雑回避を主な目的にテレワークが推奨されていますが、大会終了後はロンドン同様オリンピックのレガシーとして、全国的にテレワークという働き方が定着し、誰もが働きやすい社会の実現が期待されています。

時間通勤やスケジュール調整での対応

テレワークの導入以外では時差通勤やスケジュール調整で対策する企業も多くあります。
混雑時間を避ける出勤時間にしたり、混雑前に業務を終わらせるようスケジュールしたりなど官民一体で取り組んでおります。

まとめ

オリンピックを契機に社会が大きく変わったという事例は数多く、テレワークも東京オリンピックのレガシーとして、社会に定着させる事により、働き方改革のきっかけとなる可能性があります。
一時的な物としてではなく長期的に取り組める事が望まれます。

建設業の働き方改革と残業時間

建設業の働き方改革と残業時間

建設業の働き方改革と残業時間

昨年、新国立競技場の建設現場で現場監督をしていた23歳の新入社員が過労自殺するという問題が起こりましたが、この男性が自殺する直前1カ月の残業は200時間を超えていたことが報じられています。建設業界では残業時間が極めて長い事が問題となっております。

長時間労働が生まれる背景

短納期でも工期を伸ばせない

建設現場では、依頼主から「いつまでに完成させてほしい」と納期が設定されます。 遅れると罰則金が発生し、依頼主との今後の取引にも影響するため、施工会社にとっては、納期は守らなければなりません。 また多少工期が短くても依頼を受けることも多く、現場の長時間労働を招く一因となっています。

他社との競争が激しい

近年は東日本大震災後の復興関連の工事や東京五輪に向けた建設ラッシュが進んでいます。 しかし、1990年代初頭のバブル期に比べると国内の工事受注件数は半減していると言われており、業界内での競争が厳しくなっています。 自社で仕事を受注するためには、短納期や安い工事費でも受け入れなければいけない場面もあり、こうしたしわ寄せは現場で働く人々に及びます。

業界全体の人手不足

過酷な仕事として知られ働き手が少なく、会社に入ってもすぐに辞めてしまう人が多いため、建設の職場では中堅以上の社員が多くても若手が圧倒的に足りません。 若手社員は、ほかにも覚える仕事が多く、会社に戻ってから行う事務作業の量も多く、残業が長くなってしまうのです。

業界の体育会系体質

建設業界は、伝統的に社風が体育会系の面があります。 上司は自分たちが経験した働き方を部下にも求める傾向があり、長時間のサービス残業を会社内で認める空気ができやすくなっています。

建設業は残業時間の上限

建設業は残業時間の上限が現状ない

社員を残業させるためには、会社側が社員と36協定と呼ばれる協定を結ぶ必要があります。
36協定では残業時間の上限も決められていますが、次の4つの業務については適用除外とされています。

  • 工作物の建設等の事業
  • 自動車の運転の業務
  • 新技術、新商品等の研究開発の業務
  • 厚生労働省労働基準局長が指定する事業または業務

建設業は、季節によって業務量の差が大きく、天候などの条件にも進捗が左右されやすいため、残業時間の上限規制が適用されないことになっておりました。
しかし、5年の猶予期間を設け2024年4月から建設業は企業規模を問わずに残業時間規制の適用対象となっております。

5年を待たず建設業も自主的に適正化の動き

とはいえ5年後の猶予期間まで、働き方改革に取り組まないわけではありません。
日本建設業連合会は昨年、労働時間の適正化に向け、会員企業を対象に時間外労働の上限を段階的に引き下げる自主規制の導入を発表し、 全国建設業協会も働き方改革行動憲章を策定するなど各団体ともに自主的な取り組みが広がりをみせています。

残業時間の「上限」はなくても残業代は発生する

現在残業時間上限規制は設けられていないものの残業時間の上限と残業代の支払いについては分けて考える必要があります。 会社側が建設会社の社員に1日8時間、週40時間を超えて仕事させた場合は残業代を支払わなければいけません。
そのため、自主的な仕事には残業代が出ない、タイムカードなどで管理されていない、現場監督は管理職だから残業代が出ない 、決まった時間分しか残業代は出ない、などような理由で残業代の支払いを行わないことは違法になります。

まとめ

今後、あらゆる業種で法令順守の要請がますます高まることが予想されます。 建設業においても労働時間に関する問題を現段階から解消に向け行う事で、少しずつでも働き方改革の実現に向けて進めて行くことが重要となります。
働き方改革を早い段階から行う事により、建設業に関するイメージの払拭や、人手不足の解消につながります。

建設業の働き方改革の問題点

建設業の働き方改革の問題点

建設業の働き方改革の問題点

働き方改革の推進により、様々な業界で週休2日制度が取り入れられていますが、建設業界ではなかなか浸透していないのが現状です。
天候によって工事を中断せざるを得ない建設業では、週休2日制度を取り入れると工期に間に合わなくなる恐れがあります。また、日給、歩合制が浸透しているため、週休2日になると収入が減少してしまう事が多く、無理をして休まず働き続けている方もいます。

働き方改革の実現に向けて残されている課題

若手不足の解消

建設業界は全体的な働き手の年齢は高齢化する傾向にあります。建設業はきつい・きたない・危険といった3Kと呼ばれる印象を拭い去り、若い方にも健康的に働ける環境を用意していく必要があります。

給与制度

工事が終わらないのは元請にとって重要な課題ですが、実際に作業する協力会社および作業員には、週休2日にすることで収入が減少するという問題もあります。
日給制、歩合制を見直し、月給制や賃金補填を取り入れて、週休2日にしても収入が変動しない試みを取り入れる必要もあると言えるでしょう。

依頼主からの必要な理解や得られない場合

依頼主からの理解も、週休2日を取り入れるためには欠かせません。これは自分の会社や方針だけではどうにもならない問題ですが、比較的余裕のある工期を設定してもらったり、働き方についてしっかり説明して理解を得る努力をしたりすることが大切です。
完成日が動かせず、短い工期の中で週休2日となると、かなり急ピッチで作業を進めなければならなくなるという現場もあります。思わぬトラブルや事故が発生しないようどんな現場でも必ず安全面に配慮し、ゆっくり休めて、なおかつ安全に仕事を進めることができるようにするマニュアル作成なども必要となるでしょう。

建設業で働き方改革実現するための取り組み

工期に余裕を持たせてもらえないかどうか依頼主へ相談してみる

様々な取り組みを考えてみても、工期を考えると週休2日の実現が現実的に難しいという状況は多いでしょう。そんなときは、依頼主への理解を求めることも大切です。いずれ対面しなければならない問題でもありますので、一度工期に余裕を持たせてもらうことはできないか相談してみることを検討してみましょう。

週休2日を設けることで懸念される収入減を視野にいれた取り組み

週休2日実現に向けて、取り組みを強化している大手ゼネコン会社があります。協力会社に対して支払い条件を変更し支援を行うことで、週休2日実現を目指しています。 出来高で人件費に相当する額を加算、休日の確保によって減少する稼働日と収入減のために技能労働者への賃金補填、これらを4週7〜8閉所を実施する会社に向けて2018年5月から順次行っています。

まとめ

建設業界での働き方改革への取り組みは、現状かなり遅れていると言えます。実際には難しいと考えている方も多く、まだまだ課題も残されています。
しかし、実現している建設業の企業があることも事実です。実際にはまだまだ少ないですが、決して不可能ではないため、今できる取り組みから少しずつ取り組んでいくことが重要かと思われます。

建設業の働き方改革対策

建設業の働き方改革対策

建設業の働き方改革対策

建設業界は、他業界と比べ休日の少なさや長時間労働の慢性化などが以前から問題視されていましたが、この法案によってどのような変化が求められるのでしょうか?

残業時間規制

残業時間規制に関しては、一般的な大企業は2019年4月から、中小企業は2020年4月からとされていますが、建設業については5年間の猶予期間が設けられていますので、2024年4月から建設業は企業規模を問わずに残業時間規制が適用されることになります。の適用対象となるため、建設業も法的にやらなけばなりません。このように国主導に働き方改革を推進する一方、企業側にも努力は求められ、実際に働き方を変えようと動いている企業事例もあります。

平均より300時間も長い労働時間

厚生労働省の毎月勤労統計調査によれば、建設業界の年間総実労働時間は年間で2,056時間。これは、全業種平均の1,807時間と比較すると300時間の差があります。
技能労働者の給与形態は約6割が日給制で、収入減を嫌う傾向が。それが原因となり、他産業では当たり前になっている週休2日も1割しかとれない状況に陥っています。また、社会保険に非加入の企業も多数存在しています。

人手不足

約500万人いると言われる就業者も約3割が55歳以上で、団塊世代の大量離職が見込まれる10年後には労働力が一気に低下する可能性もあり。将来的にはインフラ整備や災害対策が後手に回って国民生活に多大な影響が及ぶ恐れも考えられます。
従業員数について過剰しているあるいは不足していると答えた企業数の差を示した従業員数過不足 DI 値では、建設業は2017年全業種で最低のマイナス25.6という深刻な状況に陥りました。

建設業働き方改革加速化プログラム

建設業では長時間労働や休暇日数の少なさといった課題があり、今後の大量離職の準備として人手不足の解消・労働環境の改善をしなければ事業存続が困難です。
そのためには早期の働き方改革が必要と考え、2018年に建設業働き方改革加速化プログラムを国土交通省が策定しました。長時間労働の是正、給与・社会保険、生産性向上の3本柱のもと、建設現場の運営や施工管理に加えて、工事の発注・受注にも関わる内容が盛り込まれています。

長時間労働の是正

長時間労働を是正するための主な取り組み内容は、

  • 週休2日制の導入
  • 適正な工期設定

週休2日制の導入の背景にあるのは「建設業の現状と課題」で解説した通りですが、これを改善するため、まずは公共工事で週休2日工事を拡大しながら、民間でもモデル工事を試行し、評価も行うことでモデルケースの展開を目指します。また、公共工事については、週休2日の実施に伴って労務費・共通仮設費といった必要経費を計上するための補正率の見直しも行われます。
適正な工期設定とは、適切な働き方を目指すための指針をまとめた、国土交通省の「建設工事における適正な工期設定等のためのガイドラインについて」の中で示された方針を具体化したものです。
主な内容は、建設工事の受注者は従事者の長時間労働が前提になるような過密な工期での請負を避ける一方、発注者は施工条件の明確化を図り、適正な工期設定を推進するものです。

給与・社会保険

処遇についてのポイントは、建設技能者への能力評価制度の導入と、施工業者・団体への待遇改善です。技能者の能力を把握するために、まず高い技術・経験を持った技能者を公共工事で評価し、施工企業の施工能力などの見える化を実施します。また、適切な単価が下請企業にも浸透するように工事の発注者側に対して要請するとしています。
また社会保険加入を建設業の最低限の基準として徹底させるために、発注者は施工企業を社会保険加入企業に限定させ、下請企業が施工企業を選ぶ際もこの方針を守るよう要請します。さらに、社会保険に未加入の企業は建設業の許可・更新を認めない仕組み作りも行います。

生産性向上

生産性向上を行う上で国土交通省は「i-Construction」を掲げています。これは建設現場の効率性や業務負担を減らすためのICT(IT情報通信技術)の活用が主な内容となっています。
ICTとは調査から施工、検査といったあらゆる場面でIT技術を活用することを指し、例えばタブレット端末によるペーパーレス化やドローンによる測量などを想定しています。
仕事の効率化についても、公的な申請の電子化や公共工事での書類負担の軽減を目指し、後者2の項目では将来的な技術者の減少を見据えた技術者配置要件の合理化、多重下請け構造のスリム化を推進します。

まとめ

建設業界の働き方改革はゆっくりとですが、着実に進んでいます。今後さらに改革を推し進めるためにも、国による支援を待つだけでなく、企業側の努力も必要となります。

建設業業の勤怠管理は、従業員が現場に赴くため、始業時間や終了時間、残業時間もまちまちで把握しにくいという課題があります。このような変化に対応すべくITシステムや、クラウド勤怠管理の導入などを現段階から検討するのもいいかもしれません。